学費を抑えつつ、質の高い教育を受けられる「マレーシア留学」。円安傾向や物価高が進む中、その注目度はますます高まっています。
マレーシアの中でもトップクラスの名門校・モナッシュ大学マレーシア校に通う小島輝(こじま・ひかる)さんに、モナッシュ大学マレーシア校の教育環境や、生活ぶりなどについてインタビュー。小島さんは、マレーシア校ならではの交換留学制度などを紹介してくれたほか、「自分の選択を信じ、能力を発揮してほしい」と自身の経験を踏まえたエールを後輩へ送ってくれました。

自己紹介を

小島輝と申します。モナッシュ大学マレーシア校に在籍しています。現在1年生の後期(※取材は2025年3月)で、IT学部でコンピューターサイエンスを専攻しています。学業と並行し、「一般社団法人52Hz」という中高生の海外進学を含めた進路選択をサポートする団体を運営しています。フリーランスのデザイナー、オンライン日本語教師としても働いています。勉強に仕事に毎日忙しいためあまり余暇時間を取れないのですが、隙間時間にはジムで筋トレをしています。ずっと運動部に所属してきたので、体を動かさないとむずむずする性格です(笑)

留学を決めたきっかけ

最初のきっかけは、高校1年生の時に学校内で、アメリカのミネルバ大学に進学した先輩の講演を聞いたことでした。そのときに初めて「海外大学へ正規留学する」という進路があることを知りました。さらに、高校2年生の夏にひざを大怪我し、所属していたサッカー部の活動ができなくなってしまったため、空いた時間に何かしようとスタンフォード大学が提供するオンラインプログラム「Stanford e-Japan」を受けました。

僕は普段あまり学校の勉強を真面目にするタイプではなく、部活や学校外の活動に全力で先生からも煙たがられがちでした。しかし、そのプログラムではいつも先生方に叱られる部分を非難されることなく、これまで自分がしてきたさまざまな挑戦を肯定してくれました。こうした経験から「自分を肯定できる場所」として、海外大学を目指すようになりました。ずっと自分の心の中で日本の教育にクエスチョンを投げかけてきたところもあり、この決断はすごくしっくりきました。

マレーシアを選んだ経緯

留学を決めたきっかけが「Stanford e-Japan」だったため、最初はアメリカの大学に目を向けました。実際15校程度に出願したのですが、1校を除いて全て不合格。理由は明らかで、高校1、2年の成績が悪かったことでした。

そんな時にマレーシア留学をしていた友人から声を掛けられたことをきっかけに、マレーシアへ行ってみることに。1年間のファウンデーションコースを受けつつ、再度アメリカ大学受験にも挑戦したのですが、やはり不合格。アメリカトップ大学のコンピューターサイエンス(CS)専攻は、競争率が高く、狭き門でした。

ここで、CSではない別分野でアメリカ大学を受けるか、CSを学べるマレーシアの大学を受けるか…としっかりと考えました。その結果、自分がやりたいことを学べるマレーシアの大学に身を置こうと決断しました。

マレーシアという国の魅力

まず家賃が安いという点がすごく魅力だと思います。家賃3~5万円でプールやジム付きの高層マンションに住めます。また、外食費も安く、忙しい大学生の味方です。自分一人のために自炊するのは結構手間がかかるため、200~300円で手軽に食べられるのはありがたいです。マレーシア料理は辛いのですが、辛い物好きの僕の舌には合っています。日本から来た友人たちも「美味しい」と言ってくれるので、日本人に好まれる味ではないでしょうか。

「日本との時差が 1 時間」というのもメリットです。日本の方と会議する際、時間が合いやすいです。物理的な距離が近いので、飛行機代を片道2~3万円に抑えられるというのもいいです。

モナッシュ大学マレーシア校を選んだ理由

世界大学ランキングにおいて、モナッシュ大学は圧倒的に上位です。マレーシアの中ではずば抜けていると感じました。またCS専攻の学術ランキングも高く、リソースも豊富という印象です。マレーシア校のカリキュラムは、本校と全く同じです。違うのは、教える教授が誰か…というくらいです。

またマレーシア校の近くにあるサンウェイ大学のファウンデーションコースに通っていたため、モナッシュ大学の勉強に打ち込める環境などもなんとなく知っていて、「学びたい自分にはぴったりかも」と感じました。大学には複数のグループワーク用の会議室や、自習スペースなどが整備されています。また困りごとを相談できるメールアドレスやホットラインも充実しています。

さらにマレーシア校の学費はオーストラリア本校の2分の1程度なのですが、学費そのままで本校に半年間交換留学できる制度があります。加えて世界中の提携校にも、半年~1年間留学できます。イギリスやアメリカにも提携校はあるので、とてもお得に欧米の大学教育を受けられます。僕は今年の後半は本校で学び、その後半年ヨーロッパの提携校で学ぶ予定です。

英語との関わり

幼いころは特に英語に触れることはなく、中学の英語教育で初めて学びました。中学3年の時に「ビートルズ」にはまり、おそらくそれが英語を好きになったきっかけです。ただ、本気で英語を勉強したのは、海外留学を決意した高校3年の1年間でした。高校は進学校でしたが、国内大学進学者がほとんどで、海外大学進学者は2年に1人いるかいないか…という環境でした。そのため、勉強はネットの無料教材やYouTube動画を駆使し、独学でTOEFL98点まで伸ばしました。

「Stanford e-Japan」での経験や出会いも英語への抵抗感を減らしてくれました。帰国子女らが多い中で四苦八苦しながらもディスカッションすることで自信がつきましたし、そこで出会った友人とプログラム終了後も交流してスピーキング力を鍛えました。海外ドラマのセリフをシャドーイングするなども効果があったと思います。

モナッシュ大学マレーシア校の合格条件

IELTS6.5程度が合格の目安だと思います。GPAに関しては5段階評価で4.0程度あれば十分で、比較的ハードルは低いと思います。どちらかというとGPAより英語力が重要だと感じています。

ただこの基準に達しなくても、「MEB(Monash English Bridging Program)」という英語力の強化プログラムを履修すれば学部進学できる「コンディショナルオファー(条件付き合格)」の道があります。ファウンデーションコース受講を条件に、学部入学を許されるケースもあります。

モナッシュ大学マレーシア校CS専攻の授業内容

授業は「社会で即座に働ける人材育成」に注力しているという印象です。JavaやPythonといったプログラミング言語、数学の授業のほか、会社の同僚らと円滑にどうプロジェクトを進めるかというコミュニケーションに関する授業もあります。マレーシアの大学では一般教養の授業はありませんが、1学期に1つ、2つは自分の専攻以外の授業を受けることもできます。

授業の多くは少人数制で、例えばプログラミングの授業は20~30人規模です。教室のレイアウトもユニークで、おにぎりのような三角形型の机がずらりと並び、四方の壁全てにモニターがあります。学生はその机に分かれて座り、好きな方向のモニターで先生のプレゼンテーションを見ます。「先生に背を向けて授業を受ける」ということもあり、日本人にとっては新鮮に感じるのではないでしょうか。

授業には予習動画を見たうえで臨まなければいけません。予習をしていないと、すぐに置いていかれます。授業中は先生が与える問題についてディスカッションしたり、解決策を考えたりすることが多いです。個人で問題を解いたうえで、回答をみんなで話し合うというケースもあります。ただアジア人の特性なのか、割とシャイな人が多く、議論がいまいち盛り上がらないということも。先生方はクイズ形式にして意見を引き出すなどいろいろ工夫しています。

周囲の留学生

留学生は本当に多国籍で、日中韓、パキスタン、イエメン、インドネシアなどアジア諸国から集まっています。特に中国人の方が多い印象です。CS専攻の日本人は3、4人。文系学部の方が日本人は多いようです。

一般的な進路

CS専攻の日本人留学生であれば、大手企業のエンジニア職、総合職に就く人が多いです。ただ、卒業後そのままマレーシアの企業に就職するのは基本的に不可能です。就労ビザの要件がかなり厳しい(3年以上の実務経験必要など)そうです。なので、マレーシアの企業に就職したい場合は、比較的ビザが取得しやすいシンガポールなどで経験を積み、その後に再びマレーシア就職を目指すというケースが多いようです。

キャンパスの環境

キャンパスはクアラルンプールの「サンウェイ」という街に位置します。近くには大きなショッピングモールもあります。世界有数のフロア面積を誇るそうで、その中に何でも揃っています。日本のチェーン店も多く、ドンキホーテやユニクロ、無印良品があります。日本人にとっては嬉しい環境だと思います。「サンウェイラグーン」というテーマパークや、食事がおいしいエリアもあり、楽しめる環境は整っています。ただほかのエリアと比べると、物価は高いです。キャンパス自体はコンパクトで、高いビルの中に図書館やカフェなどが収まっています。

留学中の生活

スタジオルームと呼ばれる、バスルーム付きワンルームで一人暮らしをしています。家賃は月5万円くらい。大学まで徒歩とバスで20分ほどの距離にあります。大学すぐそばの物件は高騰し、あまり空きもありません。

部屋にキッチンと洗濯機がないので、洗濯はマンション1階のコインランドリーでしています。一人暮らしで自炊をしている人は少なく、食事は近くの屋台で食べることが多いです。屋台は朝食から夕食までの時間帯は開いていて、1食200~300円ととてもリーズナブルです。

こうした生活費に加え学費もすべて自分で賄っています。平日は朝8時から働き、日中は大学で授業を受け、その後また働く…というスケジュールをこなしています。休日は朝から晩まで働いています。仕事は主に一般社団法人52Hzの運営と、オンラインでの日本語教師です。たまにデザインや、ウェブ開発の仕事も受けます。これらの収益に加えて、奨学金ももらって、必要な費用に充てています。

マレーシアの人々・文化

マレーシア人と言っても、複数の人種に分かれ、それぞれに特徴を感じます。中華系マレーシア人は少し人見知りで、美味しいものを見つけるのが上手です。マレー系マレーシア人はとっても明るくて、おしゃべりが好きです。ただ課題を出さないなどルーズな一面もあります。アラブ系の人はとてももの静かですが、仲良くなるととても活発です。

このように人種によって違いがあるので、異なる人種の人とは少し隔たりを感じます。同じ人種同士で集まる傾向があります。アメリカのようにさまざまな民族が混じり合うのではなく、独立した民族・文化が集まって、マレーシアという一つの国を支えているという印象です。

卒業後のキャリア・目標 

「日本に貢献したい」という思いが強く、卒業後は日本で起業したいと考えています。CSの知識・技術を活かし、地域格差や貧富の差を少しでも埋めるような事業に携われると嬉しいです。

また個人的に、留学を希望する後輩たちのサポートを続けていきたいです。海外大学への正規留学となると、実家が裕福であったり、ものすごく優秀で多額の奨学金をもらえたりしないと実現できないというイメージが強いように思います。しかし本当に海外に行きたければ、自分でお金を稼いだり、留学先を慎重に選んだりすることで、留学できるということを伝えていきたいです。

今もnote(文章などを投稿できるプラットフォーム)やYouTubeで留学に関する情報発信をしています。YouTubeは、https://www.youtube.com/channel/UCLtj9nPovhc76s06VGRMSrgから確認できます。

後輩へのエール

自分のモットーは、「やらない後悔より、やる後悔」です。どんな選択肢を選ぶとしても楽しいこと、幸せなことがある反面、大変なこと、苦しいことがあると思います。だったら、「自分が好きなところに行こう」というふうに考えています。同じだけ苦労するなら、自分で選んだ環境で苦労したいです。そして、自分が好きな環境にいるとき、人は一番頑張れるのではないかと思います。なので後輩たちにも「自分はどこに行きたいのか」「将来何をしたいのか」というのを重視し、人生を歩んでほしいです。自分の選択を信じ、そこで能力を発揮できるといいですね。

海外大学を目指すとなると、日本の高校の勉強をしながら、海外進学対策をすることになるので、かなり大変です。なので息抜きできるときはしっかりと休みましょう。僕も英語音声ではありましたが、ボーっとネットフリックスを数時間見るような日がたくさんありました。無理をし過ぎず、自分を甘やかしながら、能力を伸ばしていってくれるといいかな、と思います。

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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