ドイツは、ヨーロッパの中でも日本人が多く暮らす国の一つです。歴史的な交流や経済的な結びつきが深い両国は、文化、教育、ビジネスの分野で強い関係を築いてきました。

本記事では、ドイツの日本人コミュニティの概要、人口や背景、そして現地で活動する日本企業の状況について詳しく解説します!

「これからドイツで暮らしてみたいな」と考えている人は、現地生活を思い描く参考としてください。

ドイツの日本人コミュニティとは

ドイツにおける日本人コミュニティの概要

2024年時点で、ドイツ国内に住む日本人の数は約4万人(外務省)と推定されており、ヨーロッパにおける主要な日本人コミュニティの一つとして知られています。このコミュニティは、企業の駐在員やその家族、留学生、現地で定住する個人まで、多岐にわたる背景を持つ人々で構成されています。

特にデュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘンといった都市は、日本人が多く暮らす主要な拠点として知られています。これらの地域では、日本語学校や日系企業、日本食レストランが多数存在し、日常的に日本文化に触れることができる環境が整っています。

ドイツに住む日本人の増加傾向と背景

日本人のドイツ移住は、1970年代から始まった日本企業のヨーロッパ進出と密接に関連しています。その後、EUの拡大や国際的なビジネス需要の増加に伴い、日本人の渡航者数も増加してきました。

近年では次のような理由が、ドイツを選ぶ要因となっています。

  1. 経済的な魅力

ドイツはEU最大の経済規模を持つ国であり、日本企業にとっても重要な市場です。そのため、多くの駐在員や専門職が派遣されています。

  1. 高い教育水準

ドイツの大学は学費が安く、国際的にも評価が高いことから、日本人留学生にとって魅力的な選択肢となっています。

  1. 文化的な受容性

多文化主義を掲げるドイツ社会は、外国人に比較的寛容です。また、日本文化への関心も強く、アニメや伝統文化を通じた交流が盛んです。

ドイツに進出している日本企業

ドイツには約700社の日系企業が進出しており、主に自動車、機械、化学、IT分野で活発に事業を展開しています。

代表的な企業には以下のようなものがあります。

◆トヨタ、ホンダなどの自動車メーカー

◆パナソニックやソニーといった電子機器メーカー

◆三菱ケミカルや住友化学などの化学企業

ドイツでの日本人の生活事情

ドイツで暮らす日本人にとって、生活環境や日常生活の工夫は、快適な滞在を実現するための重要なポイントです。ドイツが暮らしやすいかどうかは、個々の価値観や目的によって異なりますが、多くの日本人にとってドイツは「暮らしやすい」と感じる点が多い国です。

住まいの選び方と生活環境

ドイツで住まいを探す際には、地域選びが重要なポイントとなります。特に、都市部に住む日本人にとっては、利便性や治安、そしてコミュニティの存在が大きな決め手になります。

ドイツの主要都市は、日本人にとっても住みやすい環境を提供しており、各都市には独自の特徴があります。

デュッセルドルフ(Düsseldorf)

「リトル・トーキョー」として知られるデュッセルドルフには、日本食レストランや日本語学校が多く集中しており、日本人のコミュニティも非常に活発です。特に日本人家族にとっては、便利で生活しやすい環境が整っており、地域内で日本語が日常的に使われるため、異国でありながら日本の文化を身近に感じることができます。

デュッセルドルフには、デュッセルドルフ日本人学校があり、現地の日本人家庭の子どもたちが日本の教育を受けることができます。街の中でも、日本語の看板やポスターを見かけることが多く、まるで日本にいるような感覚を味わえます。

また、毎年開催されるデュッセルドルフ日本デー(Japan-Tag)では、ドイツ人と日本人が一堂に会して日本の文化を祝う大規模なイベントが行われ、日本の伝統文化から現代のポップカルチャーまで、さまざまな日本の魅力を楽しむことができます。このようなイベントが、デュッセルドルフの日本人コミュニティをさらに強くし、現地のドイツ人との文化交流の場ともなっています。

デュッセルドルフには、デュッセルドルフ大学(Heinrich Heine University Düsseldorf)があります。留学プログラムが充実しており、英語で提供されるコースや国際的な学生向けのサポート体制も整っています。

フランクフルト(Frankfurt)

フランクフルトは、ドイツの国際金融の中心地として知られ、多国籍の住民が集まる都市です。フランクフルトには多くの日本企業が進出しており、ビジネスパーソンや駐在員にとっても魅力的でしょう。

フランクフルトには、ゲーテフランクフルト大学(Goethe University Frankfurt)があります。こちらはドイツ国内でも評価が高く、国際的な学生を受け入れる体制が整っています。特に経済学、金融学、社会科学の分野に強みを持ち、留学先としても人気です。留学生は英語での授業を受けることができ、ドイツ語を学ぶプログラムも提供されています。

生活を始めるにあたり、基本的にはドイツ語が必要ですが、病院や街中のお店では英語が通じることも多く、日常生活で困ることは少ないです。

ミュンヘン

ミュンヘンは自然豊かな環境と高い生活水準を求める人々に人気の都市で、特にアルプス山脈に近く、豊富なアウトドア活動が魅力です。家族での移住にも非常に適しており、週末には多くの公園や湖へ外出する文化が根付いています。

教育や医療が充実しており、ドイツ国内でもトップの学校が揃っているいます。例えばルートヴィヒ・マクシミリアン大学(LMU)テクニカル・ユニバーシティ・オブ・ミュンヘン(TUM)などがあります。これらの大学は、国際的に評価されており、留学生にも開かれた環境です。また、ドイツ語や英語で授業が行われており、さまざまな学問分野が学べます。

ミュンヘンは生活水準が高く、治安も良好です。公共交通機関が便利で車を持たなくても不便はなく、ゴミ分別や公共マナーがしっかりしており、日本人にとって快適な生活環境が整っています。

ドイツでの日本人コミュニティの集まりとイベント

ドイツにおける日本人コミュニティの集まりやイベント、そして日本人会や日本人団体の活動については、都市ごとに異なるものの、いくつかの主要なイベントがあります。

日本人会や日本人団体の活動 

ドイツには各都市に日本人会や日本人団体があり、入会は有料ですが、入会しなくてもSNSやFacebookグループで情報交換や交流を行うことができます。Facebookグループのドイツ・デュッセルドルフ日本人掲示版【DNK】JAPANDORF ドイツ・ミュンヘン日本人掲示板 🇩🇪🇯🇵 はイベント、ビジネス情報、生活関連の情報が交換される場です。グループメンバーが質問や相談を投稿し、他のメンバーが助言をする形で、地域内でのネットワーキングやサポートが行われています。 

こうしたグループに参加することで、都市ごとの日本人コミュニティとつながり、情報を得ることができます。

年間イベント

ドイツで行われる日本関連の年間イベントは、日本文化を紹介するための重要な機会であり、地域の日本人コミュニティやドイツ人との交流を深める場にもなっています。

主要都市ではJapaフェス(Japan Festival)が開催されます。日本文化をテーマにしたフェスティバルで、規模や内容は都市ごとに異なりますが、日本の伝統から現代文化まで幅広い活動が行われるのが特徴です。大都市で開催されることが多く、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘンなどで行われます。また、特定の地域で開催されることもあります。

デュッセルドルフではJAPAデー(JAPAN-Tag)が開催されます。このイベントは、日本文化を広め、ドイツと日本の文化交流を促進することを目的としています。イベントでは、日本の伝統文化体験として、茶道、書道、着物、武道などのワークショップやデモンストレーションが行われ、来場者は実際に体験することができます。また、音楽やパフォーマンスでは、和太鼓や民謡、盆踊り、さらには現代音楽など、さまざまな日本の音楽やパフォーマンスが披露されます。

ドイツで楽しめる日本食とお店

ドイツには、日本食を楽しめるレストランや、日本の食材を取り扱うスーパー・専門店が豊富にあります。日本食はドイツでも人気があり、特に都市部では本格的な日本料理を楽しめる場所が増えてきています。以下は、ドイツで楽しめる日本食とそのお店についての紹介です。

ドイツの日本食レストラン

ドイツの各都市には、日本食を提供するレストランが多くあります。寿司、ラーメン、てんぷら、焼き鳥、うどんといった和食の定番メニューを楽しめるお店が揃っています。 

◆代表的な日本食レストラン 

Sasaya(ささや)(ベルリン)

ベルリンで一番美味しいお寿司と評判なのが、「ささや SASAYA」です。プレンツラウアーベルク(Prenzlauer Berg)というおしゃれなエリアに位置しており、食事を楽しみながら落ち着いた時間を過ごすことができます。

Mamecha(ベルリン)

日本のカフェで、2010年にオープンしました。日本茶を中心に提供し、伝統的な日本茶文化を紹介しています。店内では、選りすぐりの茶葉や和菓子を楽しむことができ、オンラインショップも運営しています

匠(TAKUMI)

ドイツ全体で展開する日本食レストランチェーンで、ラーメン店を中心に、焼き鳥居酒屋、焼肉店、トンカツ専門店など、多様な業態を展開しています。デュッセルドルフを拠点に、オランダ、ベルギー、スペイン、イタリア、チェコ、オーストリアなど、ヨーロッパ各地で合計50店舗を展開中です。

Tokyo Yatai(フランクフルト)

フランクフルトにある移動式かき氷屋さん

レストラン「櫻(SAKURA)」(アーヘン)

アーヘンにある日本食レストランで、新鮮な魚や本格的な和食を提供しています。鉄板焼きや、テラス席での食事が楽しめるこのレストランは、小さな店内ながら、アットホームな雰囲気で食事ができます。

日本の食材を扱うスーパーや専門店 

日本食を家庭で作りたい人には、日本の食材を取り扱うスーパーや専門店が役立ちます。これらの店では、醤油、味噌、米、海苔など、さまざまな日本食材を購入することができます。

Rewe、Edeka、SPAR(一般的なドイツのスーパー) 

ドイツの大手スーパーでは、日本食材を取り扱っているセクションがあります。特にEdekaやReweでは、寿司用の米や調味料、インスタントラーメン、醤油、味噌などを見つけることができます。

スーパーかとう(Super Kato)(フランクフルト)

日本食材店で、地元で人気のスポットです。新鮮な日本食材や調味料を提供しており、特に日本の家庭料理を作るためのアイテムが充実しています。旅行者や地元の日本人にとって便利な場所として評価されています。

日本食品店

デュッセルドルフ、ハンブルク、ベルリンなどの大都市にあり、多くの日本食材が取り揃えられています。ここでは、日本の調味料、お米、お菓子などが購入でき、日本人家庭にとって便利な場所です。しかし、これらの店舗は日本人が多く住む地域に限られており、食材の輸入によって価格が高くなることもあります。

アジアンショップ

都市部や地方都市に多くあり、韓国食品店や中国系食品店が一般的です。これらの店舗で日本食品も取り扱っていますが、韓国や中国、ベトナムなど他のアジアの国々の製品も多く、異なる文化の食材が並びます。価格は比較的安価で、時には期待外れの味もありますが、新しい食材を発見できる楽しみがあります。熟知している食品や調味料を購入するのが安全です。

まとめ

ドイツの日本人コミュニティは主にデュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘンなどの都市に集中しており、企業駐在員や留学生を中心に形成されています。デュッセルドルフでは「リトル・トーキョー」を体験でき、フランクフルトやミュンヘンでは国際色豊かな生活が広がっています。都市ごとにそれぞれの魅力がありますね。また日本への懐かしさがつのった時は、日本食レストランで食事をしたり、日本人コミュニティの活動やイベント(例:JAPAN-Tag)に参加したりすると、よい気晴らしになるでしょう。

このように日本人にとって、とても暮らしやすい環境が整っているドイツ。留学先として検討してみませんか?

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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