ドイツは、質の高い教育と多様な学問分野で知られる国であり、世界中から多くの留学生が集まる場所です。特に、ドイツの大学は学費が比較的低く、優れた研究施設と実践的な教育が提供されるため、学びの環境として非常に魅力的です。
本記事では、ドイツの大学を都市別に紹介し、各都市での学びの特徴や学生生活の魅力を探ります。自分に合った都市で学び、充実した学生生活を送るための参考になる情報をお届けします!
ドイツではドイツ語がメインではありますが、日常生活や大学の授業において英語が役立つ場面もあります。U-LABOは、海外留学を目指す学生のための英語塾「U-LABO BRIDGE」を提供しています。「海外留学をしてみたいけれど、英語力が心配」という場合は、ぜひ「U-LABO BRIDGE」を活用ください。
ドイツの大学教育の魅力
ドイツは世界的に見ても高等教育が充実している国の一つです。特にドイツの大学は、学問の深さや質、そして学生支援体制の充実度において注目されています。また、ドイツの大学は、幅広い学問分野で研究機会が提供しているため、多くの国際的な学生が集まっています。
ドイツの高等教育システムの特徴
ドイツの高等教育システムは国際的に評価されています。ドイツの大学教育は、座学のみではなく、実践的なスキルや研究活動、さらには国際的な視野を育むことを重視しています。
以下に、ドイツの高等教育システムの主要な特徴を紹介します。
- 公共大学の学費が無料または低額
ドイツでは、ほとんどの州において、公共大学での学費が無料または非常に低額に設定されています。このため、学生は学業に集中しやすく、経済的な負担を大幅に軽減することができます。特に、学費の負担が少ないことは、ドイツを留学先として選ぶ大きな魅力の一つとなっています。
- 多様な学位プログラム
ドイツの大学では、さまざまな学位プログラムが提供されており、学生は自分の興味やキャリア目標に合わせた学びを選ぶことができます。伝統的な学位(学士号、修士号)に加えて、専門職大学(Fachhochschule)では、実務に直結した教育が行われることが多いです。また、近年では、英語での授業を提供するプログラムも増えており、非ドイツ語話者でも学びやすい環境が整っています。
- 学外活動やネットワーキングの機会
ドイツの大学は、学業だけでなく、学生生活にも重きを置いています。大学内には、多くの学生団体やクラブ活動が存在し、学生はこれらに参加することでリーダーシップを養ったり、同じ興味を持つ友達と交流したりすることができます。
- 国際性と多文化環境
ドイツの大学は、世界中からの留学生を歓迎しており、国際的な環境で学べることが大きな特徴です。特に大都市の大学では、英語での授業や国際的な研究プロジェクトが増えており、異文化交流を通じて多様な視点を学ぶことができます。
ベルリン(Berlin)の大学
ベルリンはドイツの首都であり、多くの国際的な学生が集まり、学問と文化の交流が盛んな場所です。ベルリンには歴史的な背景を持ち、世界的に評価されている大学がいくつかあります。以下では、ベルリンで特に有名な大学を紹介します。
ベルリン自由大学(Freie Universität Berlin)
ベルリン自由大学は、1948年に設立された国立総合大学で、特に人文学、社会科学、自然科学の分野で高く評価されています。学問の自由を重んじ、独自のアプローチで研究活動を展開するこの大学は、学際的な教育と研究を特徴としており、グローバルな視野を持った学生を育成しています。また、国際的な連携が強く、留学生の受け入れにも積極的です。さらに、2003年以降、ベルリン自由大学とフンボルト大学の医学部は、ベルリン医学学校Charitéの一部となっています。
ベルリン自由大学では、学費は無料ですが、学生費として年間304.40 EUR(約45600円)が必要です。この費用は毎年支払うもので、金額は変更される可能性があります。
*1 EUR=150円換算
英語学位プログラム:North American Studies
- このプログラムへの応募には、ドイツ大学入学資格、英語能力がCEFRでC1レベル以上であることが必要です。
IU 国際応用科学大学(International University of Applied Sciences)
IU 国際応用科学大学は、1998年に設立された、ドイツの私立大学で、データサイエンス、ロボティックス、コンピュータサイエンス (CS)などのテクノロジー分野が特に人気です。英語の学位プログラムは24学科あります。経営・経済、心理学やCSなど幅広く提供しています。
IU 国際応用科学大学は私立大学のため、学費が発生します。英語学位プログラムは1年で5021 EUR(約75万円)です(2025/26年度)。
*1 EUR=150円換算
ロボティクス学科 (Robotics)に出願するための必要要件は以下の通りです。
- 英語での学位プログラムに出願する場合、英語B2(IELTS 5)が求められます。
- ドイツ大学受験資格が必要です。高校卒業証書と共通テストの提出が求められます。もし、必要成績や点数に届かない場合は大学準備コース(Studienkolleg)を修了する必要があります。
他の学部も英語レベルの証明とドイツ大学受験資格が必要です。
ベルリン経済法科大学(Hochschule für Wirtschaft und Recht)
ベルリン経済法科大学は2009年4月1日にベルリン経済大学(Berlin School of Economics)とベルリン行政法科大学(FHVR Berlin)の統合により、新たに設立されたドイツの公立高等教育機関です。この統合により、ビジネス、経済学、法学、行政学、社会学など、広範な分野で質の高い教育と実務重視の学位プログラムを提供する大学として発展しています。
公立大学のため学費は無料ですが、学生費として1学期300 EUR(約45,000円)の支払いが必要です。
英語の学位プログラムはInternational Business Management(国際経営)のみです。出願にはドイツ大学受験資格、ドイツ語A2(または200時間のドイツ語授業)、英語B2(IELTS 5)の証明、志望動機とCVが必要です。
ベルリン技術経済大学(HTW:Hochschule für Technik und Wirtschaft Berlin)
ベルリン技術経済大学は、1994年に設立され、現在は約13,355人の学生が学び、80以上の学位プログラムを提供しています。特にデザイン、コンピュータサイエンス、テクノロジー、ビジネスの分野に強みを持ち、健康研究、デジタル経済、再生可能エネルギーなどの先進的な研究分野にも注力しています。学生は国際的な視野を広げ、インターンシップや就職の機会を通じて実務経験を積むことができる大学です。
公立大学のため学費は無料ですが、学生費として1学期324.90 EUR(約49,000円)の支払いが必要です。
英語の学位プログラムはInternational Business(国際経営)とCyber Security and Business(サイバーセキュリティと経営)の2つのみです。出願にはドイツ大学受験資格と英語C1(IELTS 7)の証明が必要です。
ミュンヘン(Munich)の大学
ミュンヘンは、ベルリンやハンブルクに次いでドイツで3番目に大きな都市で、ドイツを代表する世界都市の1つとして知られています。多様な文化や歴史的な遺産、国際的な雰囲気を持っています。また、1972年にはミュンヘンオリンピックが開催されました。
ミュンヘン工科大学(TUM:Technical University of Munich)
ミュンヘン工科大学は、ドイツ政府のエクセレンス・イニシアティブに指定された名門工科大学で、ノーベル賞受賞者を19人輩出しています。2023年THE世界大学ランキングで30位、QS世界大学ランキングで49位にランクインし、ドイツ国内では1位の評価を受けています。TUMは、学際的な研究と企業との強い連携により、学生に実務経験を提供し、世界的に高い評価を受けています。
英語学位プログラムが4つあります。
- Aerospace(航空宇宙科学)
- Management and Data Science(マネジメントおよびデータサイエンス )
- Management and Technology (am Campus Heilbronn)(マネジメントおよびテクノロジー(ハイルブロンキャンパス))
- Sustainable Management and Technology(持続可能なマネジメントおよびテクノロジー)
出願条件は学部により異なりますが、目安としてIELTS 7.0以上が必要です
ミュンヘン国際大学 SDI(Internationale Hochschule SDI München)
ミュンヘン国際大学 SDIは、異文化コミュニケーションを専門とする私立大学であり、ビジネスと経済、コミュニケーション、メディア、言語分野において州認可・認定を受けた学士号および修士号プログラムを提供しています。
以下を含む6つの学位プログラムを提供しています:
- International Communication and Business(国際コミュニケーションとビジネス)
- Modern Chinese Studies( 現代中国学)
- Information Architecture and Content Creation(情報アーキテクチャとコンテンツ制作 )
- Intercultural Interaction Design(異文化インタラクションデザイン)
- Double Degree in Translation (翻訳ダブルディグリー)
- Translation Chinese(中国語翻訳)
ミュンヘン国際大学 SDIは私立大学のため、学費が発生します。
学費の詳細は以下の通りです:
- 授業料:月額500EUR
- 学生費:学期ごとに85EUR
- 登録料:950EUR(一度限り)
出願条件は学部により異なりますが、目安としてIELTS 5.5以上が必要です。
ハンブルク(Hamburg)の大学
ハンブルクは、ドイツ北部に位置する港湾都市で、美しい運河や歴史的な建物が魅力です。世界的に有名なエルプフィルハーモニーや、多文化が共存する活気ある街並みで、学びと刺激に満ちた留学生活を楽しめます!
ハンブルク工科大学(Hamburg University of Technology)
ハンブルク工科大学は、エンジニアリング、技術革新、持続可能性に特化し、環境工学や機械工学などで評価されている公立大学です。企業や研究機関と連携した実践的な学習環境を提供しています。
英語学位プログラムが2つあります。
- General Engineering Science (GES)(一般工学)
- Engineering Science(工学科学 )
公立大学のため学費は無料ですが、学生費として1学期約333EUR(約49,000円)の支払いが必要です。
出願条件は学部により異なりますが、目安としてIELTS 6.0以上が必要です。
クーナ・ロジスティクス大学(Kühne Logistics University (KLU))
KLUは、物流やサプライチェーン分野に特化した教育と研究が評価されている私立大学です。少人数制の教育により、教授との密接な関係や個別指導が可能であり、学生と教員の多くが国際的な背景を持つため、多文化的な学びの環境が広がっています。
KLUの英語学位プログラムはBusiness Administration(ビジネス管理)のみです。出願条件は
- ドイツ大学受験資格
- 英語能力証明 IELTS 7.0(またはそれに相当する英語試験スコア)
- 面接試験
KLUは私立大学のため、学費が発生します。
- 1学期あたり EUR 6,800 (年間約13,600ユーロ)
ハンブルク応用科学大学(Hamburg University of Applied Sciences)
実践的な教育に重点を置き、技術、ビジネス、デザインなど多様な分野で学べます。企業との強い連携を通じて、学生は現実的なプロジェクトやインターンシップに積極的に参加し、実務経験を積むことができます。また、国際的な学生交流が活発で、留学生は全体の18.5%を占めています。
ハンブルク応用科学大学は以下の英語学位プログラムを提供しています。
- Information Engineering(情報工学)
- International Business(国際ビジネス)
- Mechanical Engineering(機械工学)
公立大学のため学費は無料ですが、学生費として1学期約331EUR(約49,000円)の支払いが必要です。
出願条件は学部により異なりますが、目安としてIELTS 6.0以上が必要です。
ハンブルク・メディア・スクール(Hamburg Media School)
メディア、ジャーナリズム、デジタルメディアなどに特化した専門教育を提供します。
英語学位プログラムはデジタルメディア(Digital Media)のみです。目安として、英語能力はIELTS 6.5、また適性試験(aptitude test)を受ける必要があります。
学費は無料ですが、学生費として1学期約393.09 EUR(約60,000円)の支払いが必要です。
ケルン(Köln)の大学
ケルンはドイツ西部に位置する、歴史と文化が息づく魅力的な都市です。ライン川を挟んで広がる市街地には、世界的に有名なケルン大聖堂や多くの美術館・博物館があります。ケルン大学はヨーロッパで最も古く、最大規模の大学の1つとして学術的な中心地でもあり、国際的な学生が集まり、活気あふれる留学生活を楽しめます!
ケルン大学(University of Cologne)
ケルン大学は、ドイツ・ケルンに位置する、ヨーロッパでも最古かつ最大の大学の1つです。1388年に設立され、豊かな歴史を持つこの大学は、幅広い学問分野で高い評価を受けています。国際的な学生の受け入れも積極的です。
ケルン大学は以下の英語学位プログラムを提供しています。
- English Studies(英語学)
- Regional Studies China(中国地域研究)
出願時の英語レベルはIELTS 6.0が目安です。
学費は無料ですが、学生費として1学期約304.75 EUR(約45,000円)の支払いが必要です。
ライプツィヒ(Leipzig)の大学
ライプツィヒは、ドイツ東部に位置する歴史的な都市で、学問、音楽、文化の中心地として知られています。音楽の都としてバッハやメンデルスゾーン、ヴァーグナーらと深い関わりがあり、音楽愛好者には魅力的な場所です。さらに、ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一の端緒となった住民運動が発祥した場所でもあり、歴史的な意義を持つ都市です。
ライプツィヒ大学(Leipzig University)
ライプツィヒ大学は1409年に設立されました。ライプツィヒ大学は、音楽家バッハや哲学者ゴータマ・ヒューム、ライプツィヒ学派など、多くの著名な学者を輩出しています。東ドイツ(ドイツ民主共和国)時代にカール・マルクス大学(Karl-Marx-Universität Leipzig)として知られていました。
ライプツィヒ大学は以下の英語学位プログラムを提供しています。
- American Studies(アメリカ研究)
- British Studies (イギリス研究 )
- International Physics Studies Program (国際物理学プログラム)
出願条件は学部により異なりますが、目安としてIELTS 6.0以上が必要です。
公立大学のため学費は無料ですが、学生費として1学期500EUR(約75,000円)の支払いが必要です。
ブレーメン(Bremen)の大学
ブレーメンは、ドイツの北西部に位置する歴史的な都市です。ブレーメン市内の「ブレーメンの音楽隊」で有名な観光名所や、世界遺産に登録されたブレーメン市庁舎があります。学問の分野では、ブレーメン大学が高い評価を受けており、特に工学、自然科学、経済学で知られています。
ブレーメン大学(Universität Bremen)
ブレーメン大学は、1971年に設立された、公立の大学です。ブレーメン大学は学際的な研究と教育に力を入れており、異なる分野が連携して課題解決に取り組む環境が整っています。また、多くの国際的なパートナーシップがあり、交換留学や共同研究の機会が豊富です。
ブレーメン大学は以下の英語学位プログラムを提供しています。
- English-Speaking Cultures/English(英語圏文化/英語)
- Marine Geosciences(海洋地球科学)
- Natural Sciences for Sustainability(持続可能性のための自然科学)
出願条件は学部により異なりますが、目安としてIELTS 6.0または7.0以上が必要です。
公立大学のため学費は無料ですが、学生費として1学期350EUR(約52,000円)の支払いが必要です。
まとめ
各都市の大学はそれぞれ特徴があり、ベルリンの自由で革新的な学問環境、ミュンヘンの高い学術的なレベル、ハンブルクの実践的な技術教育、ケルンの歴史ある大学、ライプツィヒの学問と文化の融合、ブレーメンの学際的なアプローチなど、学びたい分野やライフスタイルに合わせた大学選びが可能です。
ドイツの大学での学びは、単に専門知識を深めるだけでなく、国際的な視野を広げ、グローバルな社会で活躍するための貴重な経験となるでしょう。自分に合った都市と大学を選び、充実した学生生活を送りながら、将来のキャリアに役立つスキルと知識を身につけてください。
ドイツでの留学は、教育の質だけでなく、生活費や学費の面でも非常に魅力的で、世界中から集まる学生たちとともに成長できる素晴らしい機会です!
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