一般的に、日本よりアメリカの方が平均年収は高いと言われていますが、具体的にはどれぐらいの差があるのでしょうか。

また、その中でも特に、アメリカで高収入を稼げる職業にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、アメリカと日本の平均年収の違いと、稼げる職業についてみていきます。

アメリカと日本の平均年収の違い

日本の経済は、1990年代にバブルが崩壊してからずっと低迷を続けています。働けど暮らしが楽にならないどころか、物価が上がっても給料があがらないため、私達の生活はどんどん苦しくなる一方です。

インフレと連動するかのように給料があがり続けるアメリカと日本を比較すると、平均年収には大きな違いがあります。OECD(経済協力開発機構)による2021年の平均賃金調査では、日本の平均賃金は39,711ドル(516万円 ※1ドル130円で計算)程度でした。これは富裕層も含めての平均的な賃金なので、一般的な世帯の賃金はもう少し低いと考えても良さそうです。

一方のアメリカは、G7諸国の間では最も高く、74,738ドル(971万円)あります。もちろん、生活費や物価が全体的に日本と比較して高いため、生活が楽というわけでは決してありません。しかし平均的な年収という数字を比較すると、アメリカの方が圧倒的に高いことが分かります。

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アメリカの高収入職業TOP10

それでは、G7諸国の中で最も平均賃金が高いアメリカの中でも、どんな職業が高収入をより稼ぐのでしょうか?ここでは、アメリカ国内での高収入トップ10をご紹介しましょう。

第1位 : 循環器専門医

高収入な職業ランキングのナンバーワンは、循環器専門医です。

アメリカ国内に1万8,000人程度しか存在しないことが、平均年収を押し上げているのかもしれませんが、このお仕事は他の職業と比べて圧倒的な高収入で、平均はなんと35万4,000ドル(約4,600万円)です。
1年間の年収がこんなにあるということは、恐ろしいほどの高収入ですよね。

第2位 : 麻酔科医

高収入な職業第2位は、麻酔科医です。

手術の際に必要な麻酔科医は、全米に3万人程度います。

平均的な収入は33万1,200ドル程度で、これは日本円にすると約4,300万円程度となります。
日本でも麻酔科医は高収入を稼ぐ印象がありますが、アメリカの高収入ぶりはけた違いです。

第3位 : 口腔顎顔面外科医

高収入な職業第3位は、口腔顎顔面外科医です。

アメリカでは歯科医にも難易度や専門性によって複数のランクがあり、その中でも口腔顎顔面外科医は、あごの骨を削るなど難易度が高い手術や施術を行うという特徴があります。

全米にたった5,300人程度しかいないため、平均年収はとても高い設定となっており、約31万1,500ドル程度です。これは、日本円にすると約4,000万円程度です。

第4位 : 救急医療専門医

高収入な職業第4位は、救急医療専門医です。

幅広い分野の医療に精通しているだけでなく、緊急事態にも冷静に適切な処置を施すことが求められる救急医療専門医は、アメリカ全土に約37,000人程度が働いています。

そんな彼らの平均年収は、約31万ドル。これも日本円にして約4,000万円程度となります。

第5位 : 整形外科医

高収入な職業第5位は、成人の整形外科医です。

骨のダメージを直す整形外科医は、アメリカ全土で約17,000人程度しかいません。

そんな彼らの平均年収は、日本円にすると約3,900万円となる30万6,000ドル程度もあります。

第6位 : 皮膚科医

高収入な職業第6位は、皮膚科医です。

日本では、皮膚科医はそれほど高年収というイメージが少ないかもしれませんが、アメリカではかなりの高収入を稼げる職業の一つです。
皮膚科医の数はとても少なく、全米に約1万人弱しかいません。

そんな彼らの平均年収は、約30万ドル程度で、これは日本円にすると約3,900万円となります。

第7位 : 放射線医

高収入な職業第7位は、放射線医です。

これは、撮影したレントゲン写真を解析することを専門とする医師で、全米には約3万人弱が働いています。

彼らの平均年収は約30万ドル程度で、皮膚科医と同じくらいですね。

第8位 : 外科医

高収入な職業第8位は、外科医です。

手術を行う外科医は、医師の中でもトップレベルに高収入なのではないか、とイメージする人は多いかもしれません。
外科医よりも平均年収が高いジャンルの医師はたくさんいますが、外科医も十分に高収入な職業です。

全米に3万人程度存在している外科医の平均年収は、約29万8,000ドル程度で、これは約3,800万円程度です。

第9位 : 産婦人科医

高収入な職業第9位は、産婦人科医です。

全米に約2万人程度がはたらいている産婦人科医の平均年収は、約29万7,000ドル程度です。外科医と同じぐらいの年収という事ですね。

第10位 : 小児科医

高収入な職業第10位は、小児科医です。

全米に小児科医の数はとても少なく、800人程度しかいません。そのため、平均年収も高く、約29万ドル程度を稼ぎます。

このようにアメリカの高収入を稼ぐ職業トップ10を見ると、すべてが医療系の仕事となっています。トップ10には入っていないものの、眼科医や神経科医、歯科矯正医や病理医なども年収3,000万円以上が平均年収となっており、医療業界で医師として働くと、かなりの高収入を稼げることが分かります。

医師というカテゴリーでは、カウンセリングをメインに行う精神科医もいます。アメリカでは、精神科医も高収入を稼げる職業の一つとして知られており、平均年収はやはり3,000万円以上となっています。

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医療系以外で稼げる職業

こう見ると、アメリカで高収入を稼ぐためには、医師でなければいけないのかという錯覚に陥るかもしれません。確かに医師はどんな専門分野でも高収入を稼げるお仕事ですが、医師でなければ収入が低いというわけではありません。

医師以外の職業を見ると、CEOとして知られている企業の最高経営責任者は、平均年収2,600万円程度を稼ぎます。しかし企業のCEOとなると、給料以外にボーナスや福利厚生が充実していることが多く、実質的な収入を考えると医師よりも高くなるというケースは少なくありません。

航空会社に勤務するパイロットも、高収入を稼ぐことができる職業です。平均年収は約2,400万円程度で、これはフライト時間や勤務する航空会社によっても大きく異なります。

日本と比較して圧倒的な高収入だと話題になっているIT系のプログラマーやエンジニア達はどうでしょうか?

日本の企業に勤務するこうした職業は、平均年収は400万円程度、そのほか残業がつくとかつかないといった差が出る程度かもしれません。しかしアメリカのIT系プログラマーになると、平均年収が約2,000万円程度となります。管理職でなければこの位稼げないというわけではなく、新卒でもこの平均年収に近い金額を稼げると考えると、業界全体が高収入の社員で構成されていることが分かりますね。

STEM分野としては、建築エンジニアもアメリカでは高収入を稼ぐことができる職業です。全米に約19万人程度が働いているお仕事ですが、平均年収は約1,900万円程度と高額です。

また、医療に携わるお仕事の中でも、医師しか高収入を稼げないというわけではありません。バイオ系の研究職になると、研究やリサーチをすることをメインの職務としながら、平均年収は約1,900万円と高額です。自然科学系の分野は今後もっと進歩すると考えられている分野で、アメリカの大学で専攻する学生の数も増えています。

それでは金融系はどうでしょうか。金融系の中でも高収入を稼ぐと言われているファイナンシャルマネージャーは、アメリカ全土に約68万人程度が働いています。彼らの平均収入は、約1,900万円程度です。一般的なサラリーマンと比較すると圧倒的な高収入と言えますね。

まとめ

アメリカで高収入を稼ぐ職業を見ると、医療系の仕事がずらりと並びます。医師以外では、航空会社のパイロットや会社CEO(最高経営責任者)、またIT系のプログラマーやエンジニアなども高収入を稼げる職業として人気があります。

もちろん、これらの職業だからと言って、必ずしも平均収入以上を稼げるとは限りません。地域的な賃金差はありますし、どの医療機関で働くかによっても年収は大きく異なるでしょう。基本的にはアメリカにおいても、都市部の大規模な医療機関や企業で働く人は、年収は高くなる傾向があります。これは、日本の場合にもある程度言えることなのかもしれません。

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