アメリカの大学への進学を目指すとき、その一歩先の卒業後のキャリアに目を向けることも大切です。漠然と「そのままアメリカで働きたい!」と思っていても、具体的にどういう職業につけばいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。この記事では、日本人がアメリカで働く際のおすすめの職業の一つとして、「会計士」を取り上げ、詳しく解説しています。会計士として働くためのステップや必要な資格についての情報が盛りだくさんですので、将来の方向性を決める参考にしてください。
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会計士を目指す人が学ぶべき分野
会計士を目指すなら、まずはアメリカの大学でどういった専攻・コースに進めばいいのでしょうか。やはり会計士の仕事や試験内容に関連することを学べる専攻を選ぶべきで、そういった専攻を修了していることが会計士資格の受験要件にもなっています。
・経済学部
経済学とは、お金が社会やビジネスに与える影響、関係性について探ります。生産・消費・売買など経済活動全般が研究テーマです。
具体的には、ミクロ経済(個人消費や企業活動の分析)、マクロ経済(国レベルでの景気動向や経済成長)、理論経済学、応用経済学などを学びます。経済学を学ぶことで、経済・社会的課題を発見し、理論的に物事を分析・解決する力が身につきます。
・経営学部
経営学部では、企業管理に必要な基本事項を学びます。会社経営や組織運営に興味がある人に向いており、実社会で役立つ知識を身に着けられます。経営学や会計学、経済学、経営科学、マーケティングなどを学び、企業の試算や財務、生産量決定などに役立てられます。
・商学部
商学は製品やサーピスを生み出す過程とそれらの流通・交換を営む市場経済の動きを知る学問です。商品に焦点を当てて経営理論を考えます。マーケティングや会計、人材マネジメントを学びます。経済学や経営学と比較してより応用を重視した学問で、実在する企業や商品・サービスを研究対象として取り上げることが多いです。
これら3つの学部は日本であれば「文系」に位置づけられますが、アメリカでは「理系に近い文系」もしくは「理系」という認識です。数字、計算を扱う場面が数多くあるからでしょう。ちなみに、アメリカでは学士号の呼び方が文系、理系で異なります。文系の分野を専攻して取得するのはBachelor of Arts(BA)、理系の分野を専攻して取得するのはBachelor of Science(BS)となっており、それぞれ文学士号、理学士号と訳されます。
アメリカの大学で学ぶことで得られるスキル
英語で経済や会計の専門知識を学ぶことができるのは、大きなメリットです。これは、海外企業での就職にもつながっていきます。例えば日本企業が海外に進出した際、英語と日本語を話せて、さらに現地の背景や経理・税理の専門知識をしっかり理解している人というのはすごくニーズがあります。こうした能力・知識をビジネスレベルで備えている人は貴重です。4大監査法人の「ビッグ4」であれば、海外へ進出する日本企業を支援するジャパンデスクというものを持っていて、そういった部門・機関で採用されやすくなるでしょう。
経済学や経営学などを学べるおすすめアメリカ大学
・カリフォルニア大学バークレー校
経済学の分野で優秀なことで知られるトップ校です。世界トップレベルの授業ですが、約7割の授業は30人以下の少人数制をとっています。教授や学生同士の距離が非常に近く、質問などもしやすい環境が整っています。留学生が多いのも特徴で、毎年1万人以上の外国人が入学します。授業料は、年間およそ54,000ドルです。授業料については、U-LABOが奨める「コミュニティーカレッジ(コミカレ)からの大学編入」という方法で削減することができます。コミカレは大学に比べて比較的安価な授業料で通えるため、2年間をコミカレ、その後大学へ編入し、2年間を大学で学ぶのがおすすめです。U-LABOでは編入プログラムを展開しており、コミカレ入学や編入をサポートします。
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・カリフォルニア州立大学
カリフォルニア州立大学イーストベイ校やロサンゼルス校には、経営経済学部があります。研究というよりも、より実践的な知識やスキルを学べる傾向にあります。ロサンゼルス校には会計やマーケティング、国際経営などの専攻があり、まさに会計士の仕事に役立てられます。学費としては、年間約20,000ドルかかります。
世界大学ランキングの位置づけとしては、UCバークレーより下になりますが、実践的な知識やスキルを学べるとあって、就活市場でもほかの大学出身の学生に後れを取ることはないでしょう。
・カニシアス・カレッジ
1870年創立のニューヨーク州にある私立大学で、約2500人が学んでいます。会計学やビジネススクールに定評があり、ここで学んだ後にBIG4への就職を目指す人もいるでしょう。学生と教授陣との距離が近く、直接教授から細かな指導を受けられる教育システムも人気の理由です。入学するには、「TOEFL iBTで79以上」「IELTSで6.5以上」の英語力が求められます。ほかにも高校の成績証明やエッセーなどを提出しなければいけません。授業料は年間約33,000ドル。このほか教科書代1500ドル、生活費約2200ドルなども必要で、年間に50,000ドル程度の支出は見込んでおいた方がいいでしょう。留学生支援のセンターもあり、勉強や個人的な悩み事に対する支援体制も整っています。
私立大学からもらえる返済不要の奨学金もありますので、U-LABOカウンセラーまでご相談ください。相談はこちらから!
・就職先の評価
例えばビッグ4への就職を希望する場合、「米国公認会計士になるための単位」がどれほど取れているかということが一つの指標になってきます。ハーバード大学だから、カリフォルニア大学だから有利というわけではなく、それ以外の大学からも入ってる人は多いのです。ビッグ4がどんな人材を求めているかというと、米国公認会計士(USCAP) に「なれる見込みがある人」です。そのため、 USCPA になるための素地であるエコノミクスやビジネスマネジメントといった会計単位を取るということがしっかりできていなければなりません。もちろんよりレベルの高い大学を目指す方がいいでしょうが、しっかりと単位を積み重ねることも大切です。
会計士としてアメリカで働く方法
・まずは監査法人への就職
前提として、海外で日本人が働くというのは難しいです。日本人留学生としては、まずはビザサポートをしてくれる企業に就職するのが、海外で働くための最適な方法だといえるでしょう。会社としては、「ビッグ4」で働くのがおすすめです。
ビッグ4とは、世界4大監査法人です。コンサルティング分野などにも関連企業を持ちます。毎年ビッグ4だけで、20人程度の日本人を採用しています。
日本人の特性として「細かい数字を追っていくのが得意な人が多い」というふうに認識されており、監査・会計はまさに適職かもしれません。実際、アメリカの企業では、会計部門に日本人担当者を配属するというのは割とよく聞く話です。そういった国民性は、海外企業で重宝され、就活するときの武器にもなっています。
・就職後の業務内容とステップアップ
業務内容
日本人が監査法人に就職すると、どんな業務を任されるか見ていきましょう。
実際に多いのは、日本企業のアメリカにある子会社の会計担当者となるケースです。不正や粉飾がないかを見たり、現地の法律に沿った企業運営のサポートをしたりします。
また、国際税務に関する業務もあります。国境を越えた所得移転などの事例を頻繁に取り扱います。また日本で作った商品を、アメリカなど海外の市場で販売する際の値段設定にも携わります。値段設定を誤ると、どちらかの国に利益が、どちらかに損失が出るという非常に深刻な事態になりかねません。適正価格をしっかりと決める必要があります。さらに、日本とアメリカの税務機関の間で取り決めや合意をするのですが、その会議の進行・取りまとめを担うこともあります。
ステップアップ・働き方
就職後すぐは「アソシエート」というポジションから始まり、先輩の業務をサポートします。その後シニアアソシエート、マネージャー、ディレクター、パートナーというように役職を上っていきます。
働き方としては、オンラインが主流です。プロジェクトによっては、シアトル、テキサス、カリフォルニア、ニューヨークと住んでいる場所が全く違うスタッフが配置されることもあります。あとは、顧客である日本企業本社との取りつなぎ役である、ビッグ4日本支社の担当者ともやり取りをよくします。日本企業本社と、ビッグ4のアメリカ担当者が直接話をするという機会はないでしょう。
・米国公認会計士(USCPA)資格
USCPAとは、アメリカの各州が認定する公認会計士資格です。会計や税務の専門知識を持ち、監査をはじめ、コンサルティング、税理、財務、金融など幅広い業種で活躍することができます。ビッグ4においてマネージャー職を目指すのであれば、この「USCPA」の取得が昇格条件の一つになっています。
受験条件
USCAPの受験条件として、4年制大学を卒業していることと、「会計単位」「ビジネス単位」を規定数取得していることが必要です。このため大学在学時はUSCPAは取れないので、就職後に取得することになります。
USCPA試験の出願の際、「どこの州に出願するか」を選ばなければなりません。アメリカは州によって法律が異なるため、州ごとに受験条件やライセンス取得条件が違っています。
例えばニューヨーク州では、「総取得単位120」「財務会計・監査・税務・マネジメント会計の指定科目を取得」というのが受験資格、また4年制大学の学位や、決められた単位取得、さらに会計の実務経験がライセンス取得要件として求められます。一方受験資格が比較的ゆるいとされるアラスカ州では求められる単位数が少なかったり、ワシントン州では監査以外の実務経験でもライセンス取得ができたりします。州ごとの違いをしっかり確認しなければなりません。
試験内容
出願州が決まれば、あとは試験をクリアするのみです。試験科目は、必須科目の財務会計、監査及び証明業務、そして選択科目の租税及び商法、ビジネス分析及び報告、税法遵守及び税務計画があります。選択科目は3つのうち1つを選んで受験します。また、4科目全部を一度に受ける必要はなく、科目ごとに受験のタイミングをずらすこともできます(科目合格の有効期限は1年半)。合格基準はいずれの科目も99点満点中75点以上となっています。
ちなみに、米国税理士(EA)という資格もありますが、 USCPAを取得すると税理の仕事もできます。この点は税理士と会計士で資格が分かれている日本とは少し違います。アメリカでは多くの人は、USCPAの資格を目指しているようです。
U‐LABOの支援実績
実際、U‐LABO卒業生の中にはビッグ4に入り、現地のシリコンバレーオフィスで働いている方もいます。そうした方は、大学で会計学を学び、面接ではしっかりと英語でコミュニケーションを取れていました。
Q&A
・向いている人、向いていない人は?
経済学、経営学、商学は理系に近い学問です。そのため「数字を扱うことが苦手」という人は習得するのが苦しいでしょう。また、税務務業などでは「法解釈」がかなり必要になってきます。英語で法律を読むといったことに抵抗があってはいけません。
・英語力は必要でしょうか?
英語力は必須です。ただ、USCAPを取得するには4年制大学卒業が必須。つまりアメリカの大学に4年間通った後の就職、資格取得という流れですので、いきなり英語テストで高い点数が必要なわけではありません。最初は英語の基礎ができていれば十分でしょう。
・会計士として独立できる?就職するべき?
現実問題として、ビザ取得の問題があります。現地で働くには、ビザ取得をサポートしてくれる企業に就職し、そこから「グリーンカード」取得を目指すのがいいでしょう。最初から独立を考えるのは、あまり現実的ではありません。
U‐LABOからエール
海外で働きたいのであれば、やはりそれなりに海外で認めてもらえるようなスキルセットが必要でしょう。そこで会計士という職種がおすすめです。会計士となると、大学でしっかり会計を学び、ビッグ4のような会社に就職し、その後USCPAを取って…とすごく長い道のりではあります。ただ、そのスタート地点は大学に編入するための、コミュニティーカレッジ入学。それに向けて今、コツコツと堅実に頑張れるかどうかが大切です。決して夢物語ではありません。海外で会計士として働きたいのであれば、まずは英語の基礎力を身に着けてほしいです。そして会計士になるためにどこの大学でどのようなプログラムを選べばいいのか迷ったときは、U‐LABOにご相談ください。必ずあなたの力となります。
この他にも、U-LABO生やアメリカ大学卒業生の体験談を多数ご紹介しておりますので、以下よりぜひご覧ください!
U-LABO体験談 – U-LABO | 世界トップ大学への進学 (ulabo.org)
学生・卒業生インタビュー – U-LABO | 世界トップ大学への進学 (ulabo.org)
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