ChatGPTの台頭による今後のアメリカ大学への影響

近年、人工知能（AI）の進化は私たちの生活のあらゆる側面に影響を与えています。その中でも、自然言語処理技術の進歩によって生まれたChatGPT（チャットジーピーティー）は、コミュニケーションや情報提供の手段として大きな注目を浴びています。このAI技術がアメリカ大学留学にどのような影響を及ぼすか、以下で詳しく見ていきましょう。

ChatGPTが人間の仕事を奪う？

昨年大いに話題となったChatGPT。何かを質問したり、依頼したら数分でその答えをだしてくれたり、文章を作成してくれます。

その後、この機能を使用した様々なツールやアプリも世にでてきました。サービス開始からまだ1年半もたっていないのに、ものすごいスピードで進化をし続けるChatGPTは、今ではスライドから動画までも、こちらが指示した内容で作成してくれるようになっています。

これまでのように、何時間もかけて苦労してスライドや資料を人間が作成する時代は、近い将来、終わりを迎えるかもしれません。

こうなると、「考える」という事をとても大切にしているアメリカの教育は、どのように変化をするのでしょうか？　

AI時代の新たな評価ポイントとは？

日本では、早期にChatGPTの使用を認めないと多くの大学が見解を出しました。一方アメリカでは、認めないと言っている大学と、態度を保留している大学と、使用をどんどん推奨している大学との3通りに分かれています。

「Harvard大学に合格するEssayを書いて」とChatGPTに頼めば、ものの数分で素晴らしいEssayが完成します。AIはどんどん学習をし、既に公表されているトップ大学のEssayについて網羅して把握していますので、これらを分析し、それぞれのトップ大学が求めているEssayを作成することは、得意中の得意なのです。

ただし、Admissionのスタッフもプロですので、その文章がAIが作成したものなのか、人間が苦労して考えつくして書かれたEssayなのかを、一瞬で見抜いてしまうかもしれません。

よって、そう遠くない未来に、アメリカの出願の際に求められる内容や必須の提出物は内容が変わってくるかもしれません。今後のEssayには、より自分の個性、いかにonly oneであるのか？という事を表現できているEssayが評価されるようになると考えます。

アメリカ留学におけるChatGPTとの向き合い方

上記の背景から、アメリカ留学の際には、どのようにChatGPTと向き合えばよいのでしょうか？様々な意見が出ているとは思いますが、筆者の意見としては、どんどん使用すべきだと考えます。

一番の理由としては、社会にでれば今後ChatGPTは必須のアイテムになることは間違いないからです。少しでも早くから使用方法を覚え、どのように指示文を作成すれば思ったとおりの回答が得られるのか？という感覚を、実際に使いこなしていく中で掴んでおくことが得策です。

また、それ以外にも以下5つの理由から、アメリカ留学にはChatGPTを積極的に利用すべきと考えます。

1. 留学準備のサポート

留学を検討する学生たちが最初に直面するのは、留学先の大学選びや手続きに関する情報収集の壁です。ChatGPTは、その豊富なデータベースを活かして、留学準備の段階で役立つ情報を提供することができます。これによって学生は、より自信を持って留学計画を進めることができるでしょう。

2. エッセイや申請書のサポート

アメリカの大学に入学する際には、エッセイや入学申請書を提出する必要があります。ChatGPTは、文章の校正や改善のアドバイスを行うだけでなく、個々の学生のバックグラウンドや志望動機に合わせたアドバイスを提供する能力も持っています。これにより、学生たちはより魅力的な申請書を作成し、入学競争に勝つチャンスを高めることができるでしょう。

3. 留学生活中の言語と文化の克服

留学生活では、言語や文化の違いによる課題が生じることがあります。ChatGPTは、日常会話の練習や文化的なカスタムに関する情報提供を通じて、学生たちが新しい環境に適応する手助けをすることができます。ホームシックやカルチャーショックへの対処方法についてもアドバイスを提供し、留学生活をよりスムーズに過ごすためのヒントを共有できます。

4. 学習サポートと専門知識の提供

ChatGPTは、様々な学問分野に関する情報や知識を提供することも可能です。留学生たちは、学業上の質問や研究に関するアドバイスを得るためにChatGPTを利用することができます。特に留学先の大学で専攻する科目に関する基本的な理解を得る際に、ChatGPTの知識が役立つことでしょう。

5. カウンセリングと相談の補完

ChatGPTは、24時間体制で利用可能なため、学生たちはいつでも質問や悩みを相談することができます。しかし、個別のケースに対しては、十分な理解と洞察を持つ人間のカウンセラーとの対話も重要です。ChatGPTと人間のカウンセラーの役割を組み合わせることで、より幅広いサポート体制を構築することが可能になるでしょう。

まとめ

ChatGPTの台頭は、アメリカ大学留学に革命的な変化をもたらす可能性を秘めています。留学準備から学業サポート、文化適応まで、多岐にわたる分野で学生たちを支援するツールとして、ChatGPTは大いに活用されることでしょう。

しかしながら、学生たちの留学生活を快適なものにするためには、個別の状況に合わせたカウンセラーの助言や人間的な洞察は依然として重要な要素であることに変わりありません。ChatGPTと人間の専門家が連携することで、より充実した留学体験が提供されることになるでしょう。