チェコ共和国は、美しい街並みや歴史的な文化遺産で知られていますが、魅力はそれだけに留まりません。チェコは、教育の面でも注目を集めています。特に大学教育は、手頃な学費や充実した英語プログラム、そして国際的に認知された学位などが魅力となり、多くの学生にとって理想的な留学先となっています。

この記事では、チェコの大学制度や受験の特徴、入試要件などについて解説します。チェコの大学を目指す学生や留学を検討している方はぜひご一読ください!

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チェコの大学制度とは?

チェコの高等教育システム 

チェコの大学教育は、以下の3段階に分かれています。 

学士課程(Bachelor’s Degree):3年 (大学や学部により4年)

修士課程(Master’s Degree):2年(学士課程一貫型の場合5~6年) 

博士課程(PhD):3~4年 

ほとんどのプログラムが欧州共通のECTS(European Credit Transfer System)に基づいているため、他のヨーロッパ諸国への移行や学位の互換性が高いのが特徴です。

公立大学と私立大学の違い

公立大学

チェコ語プログラムの場合、学費が無料のことが多く、留学生もこの恩恵を受けられる場合があります。ただし、英語プログラムの場合は学費がかかります(年間2,000~15,000 EUR程度(約30万円から225万円)。代表的な大学には、カレル大学(プラハ)、マサリク大学(ブルノ)などがあります。

私立大学

私立大学では、学費が比較的高額ですが、柔軟な学習体制や英語プログラムの豊富さで人気があります。代表的な大学には、アングロ・アメリカン大学(プラハ)、ニューヨーク大学プラハ校(プラハ) などがあります。

チェコの大学受験の特徴

入試システムの概要

チェコの大学受験は、各大学が独自に実施する入試を中心に構成されています。アメリカや日本のような全国統一試験が存在しない点が特徴的です。そのため、受験生は希望する大学ごとに異なる入試要件やスケジュールに対応する必要があります。

大学ごとの独自試験

チェコでは、大学が入試内容や合格基準を独自に設定します。学部や専攻によって異なる形式の試験が課されることが一般的です。一部の大学では、筆記試験に加えて面接や実技試験が行われることもあります。専門知識を問う試験が課される場合が多く、特に医学部や工学部、法学部では難易度が高いとされています。

英語プログラムの受験

留学生向けの英語プログラムでは、チェコ語の試験が免除される代わりに、英語能力を証明する試験スコア(TOEFL、IELTSなど)が必要です。また、追加のエッセイ提出や面接が求められる場合もあります。

国際試験との関連

一部の大学では、IB(国際バカロレア)やSATのスコアを活用できることがあります。これにより、特定の試験が免除されたり、入学許可が出されることもあります。

一般的な入試の流れとスケジュール

①出願準備(秋〜冬)

出願書類には、以下のものが一般的に含まれます: 高校の卒業証明書または成績証明書、英語能力証明書(IELTS、TOEFLなど)、志望動機書(Personal Statement) 

チェコ語学習:チェコ語プログラムを受験する場合は、チェコ語能力を証明する試験(CEFR B2以上)が必要になることがあります。

②出願(1月〜2月)

各大学の公式ウェブサイトでオンライン出願を行います。一部のプログラムでは、追加のポートフォリオや課題提出が必要です(芸術系学部など)。

③入試(4月〜6月)

筆記試験::多くの学部で、専門知識や基礎学力を問う試験が行われます。

面接:特定のプログラムでは、面接を通じて志望動機や学問的な背景が評価されます。 

実技試験:芸術系や建築系の学部では、ポートフォリオ提出や実技試験が重視されます。

④合格発表(6月〜7月)

試験の結果は大学のポータルサイトで通知されることが一般的です。合格後、学費の支払い手続きやビザ申請に進む必要があります(留学生の場合)。

⑤ビザ申請と渡航準備

留学生はチェコ大使館で学生ビザを申請します。ビザ申請には大学からの合格通知書や滞在費証明が必要です。

⑥学期開始(9月〜10月)

授業登録をし、学期がスタートします。一般的には9月下旬から10月初旬ごろに学期が始まります。

チェコ大学の入試難易度と選抜基準

難易度の目安 

チェコの大学受験は、日本やアメリカと同様に、学部やプログラムによって難易度が大きく異なります。特に医学部や法学部といった人気学部では、国内外から多くの受験生が集まり、競争率が非常に高くなるのが特徴です。 

選考基準 

高校成績証明書:数学や理系科目の成績が重視される場合があります。 

語学試験スコア:TOEFL、IELTSなど。 

エッセイや推薦状:一部の英語プログラムではこれらが加味されます。 

大学別の特徴や必要な英語力

チェコの有名大学進学において、どれほどの英語力が必要なのでしょうか。大学別に見ていきましょう。

カレル大学(Charles University) 公立

難易度:非常に高い 

カレル大学(Charles University)は、1348年に設立された中欧最古の大学であり、現在では国際的に高い評価を受けています。プラハを拠点に、チェコ国内外から優れた学生と研究者を引き寄せる存在として広く知られています。 人文学部(Faculty of Humanities)、社会学部(Faculty of Social Sciences)、医学部(Faculty of Medicine)には日本人学生が在籍しております。

カレル大学では、英語能力を証明するスコアを提出する必要があります。各学部では、プログラムごとに具体的なスコア要件を設定しています。以下は社会学部(Faculty of Social Sciences)のスコア条件です。

英語力IELTS:総合バンドスコアが最低6.5で、4つのセクション(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)全てでバンドスコア6.0以上が必要TOEFL iBT:総合スコアの最低基準は83点で、各セクションのスコアは基準を満たす必要がある(リーディング21、ライティング22、リスニング20、スピーキング20)

マサリク大学 (Masaryk University)  公立

難易度:高い 

マサリク大学も、英語プログラムが充実しており、国際的な学生に非常に人気があります。多岐にわたる学際的な分野を学ぶことができ、英語文学、歴史学、社会学、文化人類学、哲学などのプログラムは、特に海外からの学生に好まれています。 学際的なアプローチに基づくプログラムは、学生に複数の視点から問題を捉える力を養うため、非常に魅力的です。 

マサリク大学で英語で学位を取得できるプログラムに参加するためには、一定以上の英語力が求められます。以下は、一般的に必要とされる英語能力試験のスコア基準です。

英語力TOEFL IBT 79点 IELTS 6.5点

プラハ経済大学(University of Economics, Prague, VŠE) 公立

難易度:中〜高 

プラハ経済大学は、特に経済学、国際関係学、政治学といった分野で広く知られています。「国際学」や「社会学」の分野では、学際的な視点を取り入れた教育が行われ、グローバルな視野を持つ学生が多く集まります。

国際ビジネス学部では以下の英語スコアが必要です。

英語力TOEFL iBT:87点以上IELTS: 6.0 以上

パラツキー大学(Palacký University) 公立

難易度:中 

パラツキー大学は、歴史学、哲学、文化人類学といった人文学系の学問で強い評価を受けている大学です。文化研究や社会学を専門とするプログラムは、世界各国の学生にとって魅力的な選択肢となっています。 

英文学学科では以下の英語スコアが必要です。

英語力TOEFL iBT:70点以上IELTS:6.0点以上

チェコ生命科学大学(Czech University of Life Sciences, CZU)公立

難易度:中〜低 

チェコ生命科学大学は、環境学、農学、持続可能性などを中心に学べる大学であり、特に自然科学との学際的なアプローチが求められます。プログラムによっては、英語能力の他にも、科学的基礎知識や環境問題への理解が求められます。

チェコ生命科学大学では、英語スコアの提出は求められませんが、入学試験の一部で英語能力が評価されます。

アングロ・アメリカン大学(Anglo-American University, AAU)私立

難易度:中〜低

チェコで最初の英語教育を中心とした大学として設立され、リベラルアーツ型の教育が特徴です。少人数制のクラスで、個々の学生に細やかなサポートを提供しています。 ビジネス、国際関係、法学、アート分野で特に高い評価を得ており、多文化的な学習環境が整っています。 

すべての非英語圏の出願者は、共通ヨーロッパ言語参照枠(CEFR)のB2レベルの英語能力を証明する必要があります。

英語力TOEFL iBT:71点以上IELTS:6.0以上(各セクションで5.5点以上)

ニューヨーク大学プラハ校(University of New York in Prague, UNYP)私立

難易度:中〜低

アメリカンスタイルの教育を提供し、ダブルディグリープログラム(ヨーロッパとアメリカの学士を取得できる)を強みとしています。

英語能力証明書についての要件は以下の通りです。

英語力TOEFL iBT:79点以上 IELTS:6.5以上

チェコの大学入試に必要な資格と条件

チェコの大学に入学するためには、特定の資格や条件を満たす必要があります。公立・私立大学を問わず、入学要件は大学やプログラムの種類によって異なりますが、以下の要素が共通して求められます。

高校卒業資格の証明

チェコの大学に入学するためには、高校卒業資格(またはそれに相当する資格)の証明が必要です。

国際的な基準として以下が認められる場合が多いです。

高校卒業証明書(普通科・専門科問わず) 

国際バカロレア(IB Diploma) 

英国のAレベル資格

卒業資格の認証(ノストリフィカツェ/Nostrification

チェコ国外で取得した卒業資格の場合、その資格がチェコの教育制度で同等と認められる必要があります。この手続きはノストリフィカツェ(Nostrification)と呼ばれ、以下の手順を経て行われます。

高校卒業証明書や成績証明書をチェコ語に翻訳(公認翻訳者による翻訳が必要)。

各地方自治体の教育部門またはチェコの大学で認証を申請。 

必要に応じて追加試験を受けることもあります。 

成績

一部の大学では、高校時代の成績が評価対象となります。特に医学部や工学部では理数系科目の成績が重視される傾向があります。

語学力(英語やチェコ語)

チェコの大学での授業は、チェコ語と英語が主に使用されます。受験生は、希望するプログラムに対応した言語能力を証明する必要があります。

チェコ語プログラムに応募する場合: 

B1~B2レベル(CEFR基準)のチェコ語能力が求められることが一般的です。医学部や法学部など高度な学問分野では、C1レベルが推奨される場合もあります。 

英語プログラムに応募する場合:英語能力試験のスコアが求められる場合が多いです。具体的には、IELTS:6.0~6.5以上(プログラムにより5.5も可) 、TOEFL iBT:72~90以上と同程度必要です。 英語を公用語とする国で教育を受けた場合や、教育言語が英語である高校を卒業した場合、試験が免除される場合があります。

志望動機書やエッセイ

特に英語プログラムや私立大学では、志望動機書(Personal Statement)やエッセイが必要です。学生の学問的興味やキャリア目標が明確に示されていることが重視されます。 

チェコの大学受験における学費と奨学金

公立大学と私立大学では、それぞれ学費やサポート体制が異なります。

公立大学

留学生(非EU学生)も、チェコ語プログラムを受講する場合は基本的に学費が無料です。ただし、チェコ語能力試験に合格する必要があります。 英語プログラムでは、年間2,000〜15,000 EUR程度(約30万円から225万円)が一般的です。 医学部や工学部では20,000 EUR以上(約300万円)になる場合もあります。 

私立大学

私立大学の学費は公立大学よりも高めに設定されています。年間3,000~10,000 EUR程度(約45万円から150万円)が一般的で、大学やプログラムによって異なります。

*1 EUR = 150円換算

チェコの大学受験を成功させるためのポイント

チェコの大学への入学を成功するためには、事前準備が非常に重要です。受験準備から合格後のステップまで、成功のための重要なポイントをまとめました

必要書類を早めに準備する

チェコの大学への入試において、必須書類は多岐に渡ります。提出期限が厳守されるため、早めに準備を始めることが大切です。必要書類としては、次のものがあります。

高校の成績証明書(翻訳が必要) 、高校卒業証明書(または卒業予定証明書) 、英語能力証明書(IELTSやTOEFLスコア) 、志望動機書やエッセイ 、推薦状(大学によっては必要)、パスポートのコピー

言語能力の強化

チェコの大学は、英語とチェコ語の両方で授業が行われています。英語プログラムを選ぶ場合でも、チェコ語を学んでおくと日常生活に便利です。 英語については、試験(IELTSやTOEFL)に向けてしっかりと準備し、必要なスコアを取得することが重要です。多くの大学では、最低でもIELTS 6.0またはTOEFL 80以上が求められます。チェコ語プログラムに応募する場合、チェコ語の基礎をしっかり学び、大学の言語試験に備える必要があります。チェコ語の能力試験(CCE)を受ける場合が多いため、予習をしっかりと行いましょう。

大学独自の入試対策

チェコの大学には、一般的な入試制度がなく、各大学や学部が独自の入試を行っています。

学部特有の試験において、医学部や工学部などでは、専門的な試験が行われることが多いため、事前に試験内容をよく理解し、対策を講じておきましょう。また、多くの大学では、筆記試験に加えて面接を実施しています。面接では、自己PRや志望動機をしっかりと伝えることが求められます。練習を積んでおくと効果的です。

合格後のステップ

入試に合格した後には、大学への入学手続きが待っています。

①合格通知の受け取り

合格通知はオンラインまたは郵送で届きます。通知を受け取ったら、指示に従って必要な手続きを行います。合格通知には、最終的な入学条件(語学試験合格など)が記載されていることが多いので、注意深く確認しましょう

②入学手続き

大学が指定するフォーマットで入学申込書を提出します。 成績証明書、パスポートのコピー、卒業証明書など、必要な書類を提出します。学費が必要な場合、指定された期日までに支払います。

③ビザの申請(非EU学生の場合)

チェコに長期間滞在するためには、学生ビザが必要です。ビザの申請はチェコ大使館または領事館で行いますので、余裕を持って手続きを行いましょう。 

④住居の手配

チェコの大学では、学生寮やアパートメントを提供している場合が多いです。寮に申し込む際は早めに手続きを行い、必要に応じて民間のアパートメントを探すことも検討しましょう。

海外留学のための英語力アップは「U-LABO BRIDGE」

チェコの高等教育は、学費が比較的安価であること、質の高い教育を提供していること、そして英語で学べるプログラムが豊富である点が大きな魅力です。 チェコの大学を目指す際には、各大学の入試要件をよく理解し、適切な準備をすることが成功への鍵です。

英語プログラムで人気のあるカレル大学やマサリク大学などは競争が激しく、入試の難易度も高いですが、豊かな学問環境と国際的なネットワークが得られるため、多くの学生にとって有益な経験となります。 

チェコでの大学生活は、学問だけでなく、異文化交流やヨーロッパ各国へのアクセスの良さも魅力です。この記事で紹介したポイントを参考に、計画的に準備を進めてください!

U-LABOは、海外留学を目指す学生を対象にした英語学習プログラム「U-LABO BRIDGE」を展開しています。チェコ留学を目標に、英語力向上を図りたい方は、ぜひプログラムの内容などについてお問い合わせください。チェコ留学の実現に向け、しっかりとサポートいたします!

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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