カリフォルニア大学(UC)進学のため、「コミュニティカレッジ(コミカレ)からの編入」という道を選んだものの、どのコミカレに進学するべきか悩む方も多いのではないでしょうか。UC編入の合格率を上げるためにも、コミカレは慎重に選ばなければなりません。

しかし、カリフォルニア州には100を超えるコミカレがあり、1校1校情報を集めて比較していくのはとても大変ですね。

この記事では、コミカレ選びの指標とするべき項目についてまとめました。この項目は、U-LABOの小泉涼輔代表が提案するもので、自身もコミカレからUCLA編入を果たし、多くの学生の編入をサポートしてきた長年の実績や経験から生まれました。

代表からのアドバイスを元にした項目を確認し、コミカレ選びを進めてみましょう。UC編入プログラムを提供するU-LABOは、無料相談も行っていますので、その場もぜひご活用ください。

データで見る!UC難関校別・コミカレランキング

100校を超えるコミカレの中から志望校を選ぶのは、そう簡単なことではありません。

そこで、UCトップレベルであるロサンゼルス校(UCLA)、バークレー校(UCB)、サンディエゴ校(UCSD)の3大学ごとに、編入実績が高いコミカレのランキングを作成しました。

このランキングは、一般的にコミカレの質の高さや編入に関係あるとされる4つの指標を用いています。

【編入者】

UCの編入統計データ(2021年度)に記載されている編入者総数。ランキングはこの数値が高い順に並べたものです。

【合格率】

UCLAの編入統計データ(2021年度)に記載されている出願者全体における合格者の割合。この数値が高ければ、そのコミカレから合格した学生の割合が高いということになります。

【対応生徒率】

教授1人に対する生徒数の割合。この数値が小さいほど、より丁寧なサポートを受けられると考えることができます。

【留学生比率】

コミカレの学生総数に対する留学生の割合。基本的に、コミカレに在籍している留学生は、編入を希望しているため、この比率が高いほど、留学生への編入支援についてよく知っていると考えられます。

ロサンゼルス校(UCLA)

コミカレ⇒ロサンゼルス校(UCLA)・編入者数ランキングTOP10

順位コミュニティカレッジ編入者合格率対応生徒率留学生比率
1Santa Monica College41226%1:309.9
2Pasadena City College22927%1:263.1%
3Los Angeles Pierce College16731%1:251.4%
4Irvine Valley College12624%1:296.8%
5De Anza College12517%1:289.7%
6El Camino College12527%1:282.1%
7Mt San Antonio College11322%1:241.6%
8Moorpark College10726%1:330.6%
9Glendale Community College9622%1:264.3%
10Diablo Valley College9424%1:265.6%

UCLAへの編入実績が長年トップであるサンタモニカカレッジ(Santa Monica College)。
毎年400~500人もの学生がUCLAへの編入を成し遂げています。
UCLAから場所も近いので、UCLA編入を目指す留学生も多くがここへ進学します。留学生比率もトップの9.9%。このグラフを見ても、サンタモニカのカウンセラーは留学生の編入に関するノウハウを熟知しているだろうといえますね。

ただ、州内最大規模のコミカレで、多くの学生が編入試験を受けるため、不合格者数も数値で見ると大きくなっています。
2021年は2059人が出願しましたが、合格者は535人で合格率は26%。他のコミカレと比較しても合格率にそこまで差はないので、サンタモニカに入学したから安心、というわけにはいかない、ということは押さえておきましょう。

2位のパサディナシティカレッジ(Pasadena City College)と3位のロサンゼルスピアスカレッジ(Los Angeles Pierce College)も編入者数がトップレベルで、専門的なサポートを期待できそうですが、留学生比率が低めなのでその辺が少し心配な点ではありますね。

4位以降は編入実績と合格率にそこまで大きな差があるわけではありませんが、留学生比率が高い所と低い所で、分かれていますね。

そのため、留学生比率と対応生徒率のバランスを見ながら候補を絞っていくといいかと思います。

バークレー校(UCB)

コミカレ⇒バークレー校(UCB)・編入者数ランキングTOP10

順位コミュニティカレッジ編入者対応生徒率留学生比率
1Diablo Valley College2391:265.6
2De Anza College1691:289.7%
3Berkeley City College1551:260.4%
4Pasadena City College1351:263.1%
5Santa Monica College1321:309.9%
6City College San Francisco891:242.5%
7Foothill College751:246.0%
8Mt San Antonio College551:241.6%
9Ohlone College541:244.2%
10Orange Coast College521:355.9%

1位のディアブロバレーカレッジ(Diablo Valley College)は、UCBに近いためUCBへの編入を目指す学生が多く在籍していて、高い編入実績を誇っています。
留学生比率はトップではないものの、比較的高いので留学生へのサポート体制も問題ないでしょう。

2位のデアンザカレッジ(De Anza College)も編入実績が多いコミカレで、対応生徒率も留学生比率もバランスが取れており、質の高いケアを期待できますね。

3位のバークレーシティカレッジ(Berkeley City College)も、ディアブロと同じくUCBに近いコミカレなので、UCBへ編入する学生がたくさんいます。
しかしながら、留学生比率がこのランキング内では最下位で、留学生というよりは、現地に住んでいるネイティブが多く通うコミカレという印象です。

4位以降では、どのコミカレも大差はありませんが、留学生比率でみると、 サンタモニカカレッジやフットヒルカレッジ(Foothill College)あたりが、外国人向けの手厚いケアを受けられそうで、進学先の候補にはいいでしょう。

サンディエゴ校(UCSD)

コミカレ⇒サンディエゴ校(UCSD)・編入者数ランキングTOP10

順位コミュニティカレッジ編入者対応生徒率留学生比率
1De Anza College2061:289.7%
2Santa Monica College1941:309.9%
3San Diego Mesa College1851:331.1%
4Pasadena City College1831:263.1%
5San Diego Miramar College1501:380.4%
6MiraCosta College1331:241.3%
7Diablo Valley College1151:265.6%
8Irvine Valley College1071:296.8%
9Palomar College1021:261.0%
10Mt San Antonio College851:241.6%

トップのデアンザカレッジは、UCBやUCLAのランキングでも上位にランクインしていましたが、UCSDやデービス校(UCDavis)への編入に強いコミカレ。そのため、UCSDを目指すのであれば、デアンザを第1志望校で考えておくと間違いないでしょう。

また、ランキング内の10校の編入者数を見てみると、そこまで大きな差は見られませんが、サンディエゴメサカレッジ(San Diego Mesa College)やサンディエゴミラマーカレッジ(San Diego Miramar College)など、サンディエゴ内にあるコミカレがランクインしているのが特徴的ですね。

ただ、どちらも対応生徒率があまりよくなく、留学生も少なめなので、外国人に対する編入関係のサポート面はあまり期待できないかもしれません。

そして、このランキングも留学生比率に注目すると、留学生が少ない学校とそうでない学校とできっぱり2分されているので、志望校を考える目安としては、わかりやすいかと思います。
留学生へのケアを考慮すると、7位のディアブロバレーカレッジや8位のアーバインバレーカレッジ(Irvine Valley College)も選択肢に入ってくるかな、という感じですね。

このように、UCトップ校が志望校ということであれば、大学別に上記のランキングを参考にしながら、候補を絞ってみてください。
UCトップ3のどれかに合格できればいいということであれば、サンタモニカカレッジやデアンザカレッジなど、3大学全てのランキングで上位に入っているコミカレを選定してみてはいかがでしょうか。

関連記事>>>カリフォルニア大学(UC)の10あるキャンパスを徹底解説!

<出典>

編入者総数:UNIVERSITY OF CALIFORNIA(community College),Transfers by major,2021

合格率:UCLA(Undergraduate Admission),Transfer Profile by California Community College,2021

対応生徒率:INTERNATIONAL ATUDENT(California),Study in California,USA,2018

留学生比率:College Shopping Simplified

UC(9大学全体) 編入者数ランキングTOP10

UCへ編入することは決めたけど、志望校はまだ決めかねているという方もいるかもしれません。そのような場合、UC編入の実績が高いカレッジへとりあえず進学するというのも1つの方法です。

以下のランキングは、2019~2020年にUC(9大学全体)へ編入した学生の総数を多い順から並べたものです。
参考までに、過去2年分の編入者数も並記してあります。隣のカッコ内の数字は、その年の編入者数を比較した場合の順位です。

コミカレ⇒カリフォルニア大学(UC 9大学全体)・編入者数ランキングTOP10

(2017-2020年)

順位コミュニティカレッジ2019-20202018-2019  2017-2018
1Santa Monica College1,1971,272 (1)1,289 (1)
2Pasadena City College826815 (4)783 (4)
3Diablo Valley College824978 (2)938 (3)
4De Anza College811913 (3)938 (2)
5Santa Barbara City College681697 (5)648 (5)
6Irvine Valley College677581 (6)578 (6)
7Mt San Antonio College475483 (7)497 (7)
8Orange Coast College419477 (8)481 (9)
9El Camino College418388 (10)392 (10)
10Foothill College405465 (9)481 (8)

3年度分全ての順位でダントツ1位にランクインしているサンタモニカカレッジ。
中でもUCLAへの編入者数が圧倒的なコミカレですが、他のUC大学への編入実績も安定しています。そのため、UCの志望校に悩んでいる方はとりあえずここを選んでおくとよさそうです。

2位のパサディナシティカレッジもUCトップ校の編入で高い実績がありますが、UC大学全体に満遍なく編入者を送り出しているので、これといった志望校を決められていない場合にもおすすめです。

3位のディアブロバレーカレッジと4位のデアンザカレッジは過去2年と比較すると、順位が下がり気味ですが、相変わらず上位をキープしていますね。特にデアンザは、トップ3大学のランキング全て5位以内にランクインしており、編入数もバランスが取れていることから、UCの大学を決めかねている学生にとっては、いい環境かもしれません。

その他のコミカレは、例年通りの順位といった感じですね。

<出典>

2019-2020:California Community College Total Transfers to University of California (UC) Campus, 2019-2020

2018-2019:California Community College Total Transfers to University of California (UC) Campuses, 2018-2019

2017-2018:California Community College Total Transfers to University of California (UC) Campuses, 2017-2018

比較するのは4項目…だけでいいの?

上記ランキングでは、一般的にコミカレ選びの際の基準となるポイントを用いて、各コミカレを比較しました。確かに、編入者数、合格率、対応生徒率、留学生比率は一定の選定基準にはなるでしょう。

しかし、それが全てではありません。確かに、「合格率」は各カレッジの実力を表すものですが、対応生徒率はほぼ誤差のようなものですし、留学生比率も気にし過ぎるものではありません。編入合格者数についても、コミュニティカレッジは地元大学へ進学するための機関ですので、最寄りの大学への編入数が多くなるのはある意味当然のことだといえるでしょう。

U-LABO版 UC編入に向いているコミュニティカレッジの選び方

それでは結局、何を基準にコミカレを選ぶといいのでしょうか?

セメスター制・クオーター制

アメリカのコミュニティカレッジでは、セメスター制とクオーター制のどちらかを採用しています。通うコミカレがどちらの制度で運用されているかによって、成績の評価や授業スピードに大きな違いがあります。

セメスター制とは?

セメスター制の場合は、おおよそ16週間(4カ月)が1つの学期です。セメスター制では、最初の2週間はオリエンテーションがメインで、授業もゆっくり進みます。留学生にとっては、授業進度が比較的遅いセメスター制の方が馴染みやすいといえます。

クオーター制とは?

一方、クオーター制は10週間(3カ月)が1学期です。クオーター制では、授業が始まると「あっという間に中間テスト、さらに期末テストを迎える」という感覚で、ペースを掴むのが意外と難しく感じるでしょう。

ただし、1年間に4学期あるため、履修できるクラス数は多いです。理系で、「編入のためたくさんのクラスを受けなければならない」という人は、短い期間で目標単位を取ることができます。

セメスター制とクオーター制の成績評価に関する大きな違い

成績評価の方法については全く異なります。セメスター制では、テストで90%以上の評価を得ると、「GPA4.0」ですが、クオーター制では「97~100%の評価で4.0」です。つまり、クオーター制の方が、4.0を獲得するためかなり高いハードルを超えなければなりません。

UC編入を目指すのであれば、「GPA4.0」をできるだけ多く欲しいので、セメスター制のほうがよりそれを実現しやすいといえるでしょう。

クオーター制のメリットは、評価が小刻みになっているため、89%をとった時に、「3.0(セメスター制)」ではなく、「3.3(クオーター制)」がとれるというところです。90%には届かなかったものの、「少しでも高いGPAを狙いたい」というならクオーター制もよいでしょう。

入学時点での英語力

ディアブロバレーカレッジや、オレンジコーストカレッジなどは、TOEFL61点、IELTS5.5程度の英語力がマストです。サンタモニカカレッジはそれ以下でも入ることができ、英語力が低い人に向けた専用クラスが用意されています。

ただし、U-LABOとしては「TOEFL61点」はクリアするべきだと思っています。そうでなければ、コミュニティカレッジの授業についていくのは難しいでしょう。

生活スタイル

自分がどういう環境で生活したいのかというのは、重要な考慮すべきポイントです。都会が好きか、田舎が好きかというのは人によって違います。

住む場所によって生活スタイルは異なります。田舎生活であれば、車は必須です。都会ではバスや電車、自転車でも移動OKです。ただし、一般的に田舎の方が生活費を抑えられそうなイメージがありますが、カリフォルニア州の場合は、田舎と都会の生活費にそんなに違いはありません。田舎は車が必要なので、駐車場代やガソリン代といった維持費を考えると、交通費でいえば都会生活より多く必要になるでしょう。

結局、「コスト」で決めるのではなく、どういう生活がしたいかということです。自分にあった街で暮らす方が、勉強にも力が入るでしょう。

日本人比率

コミュニティカレッジに日本人が多すぎると、日本人だけでまとまってしまう場合もあります。せっかくアメリカへ勉強しに行っているのですから、そんな状況を避けるために日本人比率が低いコミカレを選択するのも一つの手でしょう。

まとめ・U-LABOのおすすめコミカレからUCへ

編入を成功させるため、留学生側がコミカレの事情をよく知っておくことはとても重要です。U-LABOはコミカレについてのノウハウを貯めるということを目的に、オレンジコーストカレッジやサンタモニカカレッジ、サンタローザカレッジの3校を提携拠点とし、多くの学生を送り出してきました。ノウハウがあれば、例えば生徒の成績があまりよくないときに、どうすればいいのかといったアドバイスができます。また、各コミカレの留学生オフィスとの連携もスムーズです。

この3校についてはノウハウも十分で、スムーズなコミカレ進学、UC編入サポートが叶うでしょう。U-LABOおすすめのコミカレから、憧れのUCを目指してみませんか?無料相談も実施しているので、ぜひお気軽にご相談ください。

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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