世界トップクラスの教育・研究レベルを誇るシドニー大学で、2024年2月から心理科学を学ぶE・Rさん。リベラルアーツを軸とした大学選択をした結果、シドニー大学への入学を決めました。自身が興味を持つ心理科学を中心に幅広い知識を蓄えつつ、さまざまな将来の選択肢に「ワクワク」を膨らませています。E・Rさんにシドニー大学の魅力やオーストラリアのリアルな生活について聞きました。

簡単に自己紹介を

シドニー大学 1 年生のE・Rです。2024年2月からリベラルアーツ&サイエンス学部で心理科学を専攻しています。 

日本のアイドルがすごく好きで、「日本不足」になったら、動画を見てエネルギーチャージみたいなことをしています。特にAKB が「推し」で、よく歌を聴いています。

海外大学へ進学しようと考えたきっかけ

小学生時代のほとんどを父の仕事の関係でアメリカとフランスで過ごしたため、日本の中学に進学するとなったときは、自分と同じような帰国子女ら英語を話せる人が多い学校を選ぼうと思いました。その方が日本の生活に馴染みやすいと思ったのです。実際、都内の国際系の中高一貫校に進みました。ただこのときは日本が好きだったので、正直あまり海外大学に行こうとは思っていなかったです。

高校には国際バカロレア(IB)のディプロマプログラム(通称:DP)コースと、一般コースがあり、2年次にどちらを選択するか決めなければいけませんでした。私はあまり積極的な選択ではないのですが、「一般よりはDPに行きたい」「人と違う選択をしてみたい」とDPを選びました。このときもそんなに明確な目標はなく、「日本の大学へ進み、1年間海外へ留学するのもありかな」という程度だったのです。

そんな気持ちが変わってきたのは、同じくDPコースを選択した同級生の姿を目の当たりにしてからです。すでに目標の海外大学を決めたり、準備を始めたりしていて、彼ら彼女らから海外大学に関する話を聞くうちに興味を持つようになりました。

また、DP は国際基準のカリキュラムなので、日本の大学を受けるとなると意外と選択肢が少なくて…。日本の共通テストとDPの両立もかなり難しそうでした。そういう受験事情もあり、DPのスコアをきちんと受け止め、合格をくれる大学、つまり海外大学を視野に入れるようになりました。自分の努力が報われてほしいという思いがあったのです。

シドニー大学を選んだ理由

英語圏の大学に行きたかったので、まずはアメリカ、イギリス、オーストラリアの大学を見ました。大学を選ぶ軸は「リベラルアーツ」に力を入れているかということでした。IBの教育には、文理を問わずいろいろな角度から世界課題を見たり、解決できる人材を育てたりするという理念があり、そういうリベラルアーツの精神・考え方がすごく好きでした。特にアメリカはリベラルアーツの思想が強い大学が多いので、最初はアメリカ大学を目指していたのですが、DPの課題・最終試験と大学出願、さらに奨学金手続きなどを同時に進めるのは負担が大きかったです。資金面でもアメリカの大学は難しいと思いました。

そこでもっと広く世界に目を向けたとき、昨今リベラルアーツの思考は世界で評価され、取り入れている大学も多いと気付きました。その中でも、DPスコアを使って出願でき、学費も比較的安く抑えられるというポイントで絞ると、オーストラリアの大学が有力になりました。

さらにシドニー大学は、「リベラルアーツ&サイエンス」という学部があり、リベラルアーツの思考が根付くオーストラリアの大学の中でも特に柔軟に科目選択できたり、文理選択の必要がなかったりという点が魅力的でした。

留学前の英語レベル

日本生まれですが、父の仕事の関係で小学 2 年生の時にアメリカへ引っ越し、そこで 3 年少々過ごしました。その後一旦日本に帰国はしたのですが、すぐにフランスへ行くことに。フランスでは約2年間を過ごし、丁度自分を含むきょうだいの受験のタイミングもあって帰国しました。

アメリカに引っ越した時の英語力は本当に「ゼロ」の状態。ただアメリカは移民がすごく多いという社会的背景から学区に1つ程度「ニューカマークラス」というものを設けています。まずはそこに入学し英語を詰め込み、1年間で英語をある程度話せるようになりました。その後現地の公立小学校に移って、問題なく学校生活を送ることができました。

フランスではインターナショナルスクールに通い、その学校内の言語は英語がメインでした。毎日フランス語の授業はありつつ、メインは英語を使っていました。英語のレベルとしては、日常会話や授業について問題なく理解できるレベルではあったと思います。

ただ、海外大学の受験において、英語力については不安に思っていました。中高一貫校に入学すると、自分より英語ができる子はたくさんいて、そんな環境で過ごすと少し自信をなくしていました。ただ、授業でもかなり英語に力を入れている学校だったので、エッセーを書く力や面接対応のスピーキング力はかなり鍛えられていたと思います。英語力別にクラスがかなり細かく分けられていたので、自分に合ったクラスで英語をちゃんと学べるという実感もありました。不安はあったものの、学校のおかげで「自分の努力次第で海外大学も無理ではない!」と思えるようになりました。

シドニー大学への入学方法

DPスコアと、英語力の証明としてDP英語の「ハイヤーレベル(ネイティブレベル)」で合格点をもらっているという実績を提出し、合格しました。このDP英語の授業で合格していれば、IELTSなどのスコアは不要になるのです。

本格的な進学準備は高校3年生になるタイミングからで、常にDPスコアや英語スコアを上げようと意識していました。ただDPはかなり特殊で論文やエッセーなどの課題もすごく多いです。そのため一人で黙々と勉強するというよりは、クラスメイトとあるテーマについて議論して理解を深めていくということをよくしていました。海外大学進学を目指す生徒の多い学校だったので、出願についてもかなり学校の先生にサポートしていただきました。

アメリカとオーストラリアのほかの大学も併願しました。オーストラリアではメルボルン、モナッシュ、クイーンズランド大学も受け、それらには全て合格しました。

シドニー大学での学業について

今の1 年生の段階では「入門」みたいな感じの授業が多いです。基本的には「広く浅く」、いろんな心理の分野の基礎を学んでいます。心理学入門の授業では、認知プロセス、学習心理学、メンタルアビリティ(例えば IQ テスト)、脳科学などについて学びます。広く浅くではありますが、それぞれの分野の重要な実験の話や科学的な認識の話などをきちんと教えてもらえます。学期ごとに必修が 1 科目(心理学入門)しかないので、他は自由に履修できます。

心理学に興味がある学生のみならず、専攻を迷っている学生も多く学んでいて、すごく人気のある授業です。講義室が満杯なときもあるほどです。

心理学に興味を持った明確なきっかけは正直わからないのですが、ずっと「人間とはどんな生物なんだろう」みたいなことを考えるのが好きでした。「なぜ自分がこう思うのか」といったことにもずっと興味があり、それが一番学べそうな専攻は心理学、認知科学、脳科学なのかな、と。シドニー大学の心理学はそういった分野をまんべんなく網羅してくれています。

留学生活の不安・苦労

最初はやはり授業についていくのも大変でした。日本でも英語には親しんでいましたが、一日中英語で授業を受けることには慣れていなかったです。さらにオーストラリア独特のアクセントみたいなのも慣れるまで少し時間がかかりました。

友達を作るのにも最初は苦労しました。中高一貫校だったので、「6 年間同じ子たちとずっと仲良し」という今思えばクローズドな環境にいました。そうすると、新しい国で、新しい学校で、新しく友達を作ろうとなった時に、友達の作り方を忘れてしまったような感覚でした。留学生はすごく多いのですが、中にはそんなに英語が得意ではない子もいます。そういう意味でも最初はコミュニケーションが大変でした。

今となっては、本当にいろいろな子が周りにいます。大学全体としてはアジア系の方が多く、逆に白人の方の割合はそんなに高くない気がします。直接の友人ではないのですが、日本人の正規留学生も意外と多くいるようです。

キャンパスについて

最近、オーストラリアは暖かくなってきました(取材時は11月)。ですので、外の芝生でピクニックを楽しんでいる学生も多いです。

シドニー大学のキャンパスの真ん中あたりには、「ハリーポッター」の世界に出てきそうな印象的な建物があり、その前が芝生の広場になっています。建物がきれいで、気持ちもよくて、私もそこで昼寝をしたり、課題をしたり、友達と喋ったりしています。あとは図書館が3つあり、特に法学部専用図書館が静かで勉強しやすいのでお気に入りです。

図書館は24時間開いているので、ずっとそこにこもることもできます。私も課題が終わらない日は夜中まで利用しています。

生活について

今はシェアハウスをしていて、一軒家を 4 人でシェアしてます。1人は働きながらシドニー大学大学院に通っている方、それ以外の 2 人はワーキングホリデーで来ている方です。私を含めて3人が日本人、1人がカナダ人です。

シェアハウスに住むと決めた理由は、単純に家賃が安かったからです。学校の寮もほぼ満員で、家賃が高い部屋しか残っていませんでした。

そんなきっかけではあるのですが、始めてみると意外と快適です。4 人の生活リズムが違い、あまり顔を合わせません。たまにタイミングが合うと一緒に朝ご飯を食べることもありますが、基本的にはほぼ一人暮らしのような感覚です。

金銭面について言うと、「シェアルーム」と、私みたいに「オンルーム(個室ありでシェアハウス)」するのではだいぶ金額が違います。オンルームであれば、おおよそ月12~15万円程度になります。この金額には、ガス代、電気代、Wi-Fi代なども含まれています。都内で学生が一人暮らしをする時と同程度の金額だと思います。

物価は日本の2.5~3倍です。「自炊をするか、外食をするか」などによっても大きく変わりますが、生活費もおおよそ日本の2.5~3倍はかかるでしょう。

私は基本的には自炊を心がけていて、忙しい時は大学の売店で購入することもあります。大学内の物価はさらに高いように感じています。

オーストラリアについて思うこと 

日本では東京に住んでいたということもあり、シドニーは人口もあまり多くなく、リラックスした感じがあります。東京みたいな満員電車もありません。オーストラリアの方は全体的にすごく心の余裕があるように思います。みんなニコニコしてるイメージです。

オーストラリアというと「ビーチ」というイメージがありますが、インドア派なのであまり外には行っていません。家でYouTubeを見る方が自分には合っているみたいです(笑)

今後について

将来の夢はまだ考え中です。ただ留学して気付いたのは、本当にいろいろな選択肢があるということです。

もし海外大学に行かずに日本の大学に進学していたら、きっと私は皆がいういわゆる「いい会社」みたいなものを目指して就職し、ある程度のお金をもらえるように頑張ったのだと思います。ですがシドニー大学に来て、ほかの海外大学に進学した人の話なども聞き、会社に勤めるだけでなく、起業やフリーランスなどさまざまな生き方があるのだと感じています。海外に住むことも視野に入れるようになりました。

今は教育や心理学に興味があるので、そういった分野で自分にしかできないこと、自分がやりたいことをもっと貪欲に探したいです。その結果、自分が情熱を持ってできる仕事に出会えたらいいなと願っています。

留学を望む後輩に向けてのメッセージ

留学すると、想像していなかったいろんなことが起きると思います。自分がマイノリティになって苦しい時もあるとは思うのですが、自分の「コンフォートゾーン」から抜けないと見えなかった世界が絶対に見られます。

不安はずっとあるし、でもワクワクする気持ちもずっとあります。そしてそのワクワクはだんだんと圧倒的に大きくなってきています。いろんな世界、いろんな人に出会えたことで、漠然と不安だった将来のことを考えるのが、今ではそんなに苦ではなくなっています。後輩たちにもワクワクしながら、留学を目指してほしいです!

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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