「ホリスティック審査」という言葉を耳にしたことがありますか?これは、カリフォルニア大学(UC)が入学決定を行う際に採用しているアプローチです。
この審査方法の詳細について、UCの現役審査官2人が語った記事がUC公式ホームページに掲載されています。
海外大学の合否には、いかに新しく正確な海外大学情報を掴むかが大きく影響してきます。UCをはじめとする海外大学受験を目指す方は、推測や憶測を元に準備を進めず、こうした公式発表の情報を参考にするよう意識しましょう。
この記事では、公式記事をベースに、ホリスティック審査とは何か、UCではその審査方法がどのように機能しているのかについて紹介します。入学決定の際に評価されるポイントを掴みましょう。
U-LABOは、UCへの編入に特化した「編入プログラム」を提供しており、出願書類の評価ポイントについても熟知しています。ポイントを考慮したうえで、「評価される出願書類」の作成をサポートします。UC出願に向け、一緒に対策を立てていきましょう。

カリフォルニア大学(UC)出願書類の評価方法=ホリスティック審査

出願書類の評価において、UCでは「ホリスティック審査」と呼ばれるプロセスを採用しています。このプロセスでは、GPAや他の数値化された指標だけでなく、学生が持つ背景を考慮し、その学生がキャンパスコミュニティにどのように貢献できるかを総合的に評価します。ホリスティック審査は、GPAとテストスコアを組み合わせた「適格性指数」に依存していた旧来の方法を超え、より詳細で多面的な学生選抜を可能にしました。

ホリスティック審査とは

ホリスティック審査は、出願書類のすべてを評価対象とします。成績、履修した科目、学業成績、課外活動、学校や学校外でのコミュニティ活動が含まれます。また、学校環境や家庭環境、専攻や代替専攻の選択も考慮されます。
すべての出願書類は、入学審査官によって読まれ、評価されます。また、出願書類のどの部分が特に重要だと決まっているわけではありません。審査官は、学生が高校教育を受ける中で経験するさまざまな要素を総合的に把握するために、これらの要素を見ていきます。

UCはなぜホリスティック審査を採用するのか?

ホリスティック審査は時間や労力、費用がかかるプロセスですが、学生一人ひとりの複雑な背景を考慮するために必要です。ホリスティック審査をすることで、出願をより公平に評価できるそうです。

ホリスティック審査の具体的ポイント

ホリスティック審査は、学生の実体験を重視しています。カリフォルニア大学(UC)の出願者は非常に多様な背景を持っています。異なる地域や環境で育ち、利用できる学習リソースや機会へのアクセスも異なります。
そのため、入学審査官は、学生の学業成績をその学校や学業環境の中で評価しようとします。例えば、学生のGPAがその学校の他の学生と比べてどのような位置にあるのか、学校が提供するコースにはどのようなものがあるのかを考慮します。一部の学校ではAP(Advanced Placement)コースやUC入学に必要な「A-G」科目が提供されていない場合もあります。
一方、他の学校ではAPコース、国際バカロレア(IB)、コミュニティカレッジとのデュアルエンロールメント(共同履修)などUC入学に向けたプログラムが用意されています。教育的資源の乏しい田舎の学校に通う学生と、あらゆるAPコースを提供している私立のスクールの学生とでは前提条件が異なります。
ホリスティック審査では、学生それぞれが自分の環境の中でどのように成果を上げたかを考慮します。重要なのは、「利用可能なリソースで何を成し遂げたか」です。
家庭環境も重要です。安定した環境にいる人もいれば、そうでない人もいます。それが大学準備に影響を与えた場合、あるいはそれを乗り越えて成功した場合なども考慮することになっています。

出願時のエッセイの重要性

ホリスティック審査では、出願書類のどの部分にも決まった比重はありません。エッセイは重要ですが、あくまで全体の一部です。エッセイは、入学審査官に出願者の経験をより深く伝え、出願全体に明確さと深みを加えるものです。
良いエッセイとは、他の箇所で述べたことを繰り返すのではなく、その活動の影響を説明したり、他の箇所で伝わらない新しい情報を提供したりするものです。エッセイを通じ、課外活動などについて詳しく述べたり、成績が一時的に下がった理由を明確に説明したりすることもできます。
また、成績(GPA)も重要ですが、それも他の要素とともに評価される要素の一つに過ぎません。重要なのは全体像です。

ホリスティック審査は実際にどのように行われるのか?

カリフォルニア大学(UC)には毎年、膨大な数の出願が寄せられます。2023年秋の入学審査では、UCデイビスには94,638件、UCサンディエゴには130,835件の新入生出願がありました。他のキャンパスでは、最小のUCマーセドで30,232件、最も人気のあるUCLAでは145,903件の出願がありました。
この量を処理するため、UCは大規模なチームと計画を用意しています。各キャンパスは、最初の出願が届く数か月前から、審査員を大勢雇用します。例えば、UCデイビスの入学スタッフは通常65人ですが、出願シーズンには約150人に増加します。UCサンディエゴでは、通常50人のスタッフが約300人に膨れ上がります。
審査員は徹底的なトレーニングを受け、基準を学びます。経験者も新人も、審査スコアは定期的にチェックされ、基準に沿っているか確認されます。
また、出願書類の審査は一度きりではありません。各出願書類は複数回審査され、クロスチェックやデータに基づく追加レビューが行われます。

AIを使用して審査するか?

カリフォルニア大学(UC)はAIを出願審査プロセスで使用していません。学生が出願書類を作成する際にAIを利用する可能性はあると考えていますが、エッセイをChatGPTなどで作成するのは絶対に避けるべきです。
審査において、AIを利用した願書作成は、マイナス効果にしかならないでしょう。エッセイは、学生の環境や希望、困難、達成について、学生自身のオリジナルな言葉で語られるべきものです。AIで通り一遍な回答を作成したとしても、それは入学審査官に響くことはありません。
そもそも、AIが生成した回答を使用することは、学問的不正行為と見なされます。UCでは、出願書類に対して盗作チェックを実施しています。エッセイがAIによって生成されたものであると判明した場合、出願者はUCへの入学資格を失う可能性があります。

本当にすべての出願を読んでいるのか?

カリフォルニア大学(UC)では、UCのGPAやA-G要件を満たしていない出願書類であっても、すべての出願書類を審査しています。最低要件を満たしていない学生が「例外」として合格することもあります。例えば、成績が良好であっても、遠隔地に住んでいたため、高校でA-Gコースを受講する機会がなかった学生などが該当します。
複数のUCキャンパスに出願した場合、出願書類はそれぞれのキャンパスで個別に詳細な審査を受けます。各キャンパスが入学判断について互いに相談することはありません。

編入の入学審査について

編入出願もホリスティック審査を受けますが、編入審査は特にGPAや専攻準備に重点を置いています。専攻に向けた準備が整い、上級コースに進んで2年から2年半で卒業できる状態であることを見ています。

出願書類以外に入学を左右する要因は?

カリフォルニア大学(UC)では、キャンパスの文化的・知的な活力に貢献できる学生を求めています。そのため、大学での学びに十分な準備ができており、地理的な場所、経済的背景、学問的興味など多様な経験を持つ学生を歓迎しています。
出願者は非常に優れた人たちばかりですが、その中でもあらゆる背景を持つ学生を集めることを目指しています。異なる経験を持つ学生が集まることで、UCならではのユニークな学びの環境が生まれると期待しています。その環境が新しいアイデアに触れる機会を生み出し、より良い学びの場を作り出します。
学生と入学部の両方にとっての制約は、物理的および財政的な収容能力です。毎年、各キャンパスの入学定員は、UCの中央組織、学術審議会、UC理事会、カリフォルニア州と連携して決定されます。定員を決める主な要因には、教室のスペース、住居の供給、州からの財政支援、卒業する学生数(新しい座席を開放)などが含まれます。近年、UCは特に需要の高いキャンパスで州外の学生の入学を制限しています。また、特定の専攻は非常に人気が高いため、UCキャンパスではそれらの専攻に定員を設定しています。

優秀な学生がカリフォルニア大学(UC)に入学できないことがあるのはなぜか?

よく耳にするのは、「近所のジョニーはGPAが3.9でうちの息子は4.2なのに、ジョニーは合格して息子は落ちた」という話です。GPAが低い学生や活動が少ない学生が合格するのを見ると、ランダムに感じるかもしれませんが、カリフォルニア大学(UC)ではGPAや特定の活動の数に基づいて合否を判定しているのではありません。「学生がどの専攻や代替専攻に出願したのか」、「エッセイで何を書いたのか」といった全てを考慮しています。学業成績の優秀さのみでは判断できないのです。
専攻選択の影響が大きいケースとしては、UCデイビスに入学率が25%以下の専攻が4つあります。デザイン、コンピューターサイエンス、機械工学、心理学です。学生が合格できなかった場合、自分を責めることがあります。しかし、たいていの場合、それは学生自身の問題ではなく、むしろ大学側にある制限が理由でしょう。昨年、UCサンディエゴのコンピューターサイエンスには約12,500人の学生が手を挙げましたが、定員は300人でした。収容能力に限りがあるため、どの大学もすべての学生を受け入れることはできません。

高校生に対するアドバイス

高校生は、「カリフォルニア大学(UC)への入学」のみを意識するのではなく、自己探求をしましょう。自分が誰であるかを考え、自分の好奇心や興味を追求することが本当に重要です。UCに入るために必要だと思うことをするのではなく、自分の情熱を追い求めるほうが良い結果に結びつくでしょう。

まとめ

カリフォルニア大学(UC)は、膨大な出願書類を非常に丁寧に審査しています。また学業成績だけでなく、学生が置かれた環境などその人の背景まで見てくれます。その結果、UCは多様性のあるより魅力的な大学となっているのです。

この記事を通して、UCの出願書類審査方法やシステムは理解できたでしょうが、それに即した出願書類の作成はかなりの試行錯誤を要しそうです。

そこでU-LABOは、UCに特化した「UC編入プログラム」を展開しています。UCの出願書類作成に精通したスタッフが、文書の書き方や、課外活動のテーマなどについてアドバイス。審査方法を考慮し、最適な出願書類を作成します。UCへの進学に興味を持った方は、ぜひ無料相談・LINE相談をご利用ください。

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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