「早稲田大学社会科学部(社学)が提供する英語学位プログラム「TAISI(タイシ)」には、世界中から集まる学生と共に、貧困や環境問題といった正解のない問いに挑むことができます。

この早稲田大学社会科学部のTAISIに興味を持った方で以下のような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか?

  • 「TAISIってどのようなプログラムなの?同じ早稲田の国際教養学部(SILS)との違いは?」
  • 「TAISI AO入試ってどのような形式なの?」
  • 「合格に必要な英語力やSATのスコアは?」

そこで本記事では、早稲田大学社会科学部のTAISIプログラムについて、これらの疑問に回答するとともに、卒業後の進路や具体的な入試の対策法まで徹底解説します。

本題の前に、U-LABOでは、あなたの「TAISI(大志)」を叶えるための、無料相談会を実施しています。

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早稲田大学社会科学部のTAISI programの特徴とは?

社会科学部(School of Social Sciences)のTAISIの概要とプログラムの目的

早稲田大学TAISI(Transnational and Interdisciplinary Studies in Social Innovation)は、早稲田大学社会科学部(School of Social Sciences: SSS)に設置された英語学位プログラムです。

2011年に開設された「CJSP(現代日本学プログラム)」を前身とし、カリキュラムを大幅に刷新して2018年に現在の名称となりました。

早稲田の社会科学部は1966年の創設以来、「学際性(Interdisciplinary)」「実践性(Practical)」「国際性(International)」を教育の3つの柱としており、TAISIもこの理念を色濃く反映しています。

TAISIの特徴は、日本社会が直面する課題(少子高齢化、環境問題、都市開発など)を多角的に分析し、その解決策を世界に応用可能なモデルとして構築することにあります。

また、プログラム名の漢字表記である「大志(TAISI)」には、将来の社会的なリーダーやイノベーターを育成するという大きな願いが込められており、 本プログラムの最大の目的は、「ソーシャル・イノベーター」の育成です。

グローバル化が進む現代において、国境を越えた視点から地球規模の課題に取り組み、持続可能で公正な解決策を見出し、実行できる「チェンジメーカー」を育てることを目指しています。

教室には世界各国からの留学生と、日本国内からの学生が共に学ぶ環境があり、多様なバックグラウンドを持つ学生同士が英語で議論を交わす、極めて刺激的な場となっています。

参照元:早稲田大学社会科学部TAISIプログラムとは

早稲田TAISIのカリキュラムと独自プログラム

TAISIのカリキュラムは、社会科学の基礎を学ぶ「Foundations in Social Sciences」と、専門性を深める「Interdisciplinary Studies in Social Innovation」で構成されています。

学生は以下の4つの専門領域(Fields)から関心のある分野を選択し、学びを深めます。

カリキュラム詳細
Community & Social Development
(コミュニティと社会開発)
災害復興や過疎地域の活性化など、持続可能なコミュニティ形成や都市計画について学びます。
Peace Building & International Cooperation
(平和構築と国際協力)
紛争解決や人権問題、国際協力の枠組みを通じて、グローバルな平和構築の手法を学びます。
Economic & Environmental Sustainability
(経済・環境の持続可能性)
気候変動や資源問題、貧困に対し、経済的・社会的・環境的に持続可能な政策や制度設計を研究します。
Social Organizations & Working
(社会組織と働き方)
技術革新やグローバル化に伴う新しいビジネスモデル、働き方、社会的企業(ソーシャルビジネス)のあり方を探求します。

また、早稲田TAISIは英語学位プログラムであるため、原則として卒業に必要な単位は英語の授業で取得しますが、学生のバックグラウンドに合わせて以下のように柔軟なカリキュラムが組まれています。

カリキュラム説明
Curriculum A(日本語学習必須)主に海外出身の学生向け。日本語の授業が必修となり、日本社会への適応と言語習得を目指す。
Curriculum B(日本語学習免除)帰国子女などの日本語が母語の学生や、十分な日本語能力がある学生向け。日本語の授業が免除され、その分を専門科目の履修に充てることができる。

その上で、TAISIの学生は、社会科学部の一般プログラム(日本語で行われる授業)も履修可能です。

これにより、英語でグローバルな視点を養いつつ、日本語で日本の法制度や行政の細部を学ぶといった、ハイブリッドな学習が可能です。

さらに、座学だけでなく、フィールドワーク(実習)を重視しており、国内外の現場で社会問題に取り組む「Practicum(プラクティカム)」や、1年次から少人数で学ぶ「Seminar(ゼミ)」が豊富に用意されています。

参照元:早稲田大学TAISIのカリキュラムについて

早稲田大学のTAISI AO入試とは?試験の全体像を紹介

TAISI AO入試の概要と出願要件、倍率について

TAISIのAO入試は、書類審査(Document Screening)が中心です。そのため面接は、必要と判断された学生のみ実施します。

入試形式の概要は以下の通りです。

項目詳細
書類選考提出された志望理由書、成績証明書、標準テストスコアなどを総合的(Holistic)に評価します。
面接(Interview)必須ではありません。書類審査の結果、さらに情報が必要と判断された場合のみ、オンラインで実施されます。
出願方法オンライン出願システム「The Admissions Office (TAO)」を使用します。
入学時期9月入学(September Entry)のみ。
(2023年度以降、4月入学の入試方式は廃止され9月入学に一本化)
募集定員約60名

TAISI AO入試は、ラウンド制で実施されます。

なお、第3ラウンド(Third Round)は、第1・第2ラウンドでの合格者が定員(約60名)に達した場合、実施されない可能性があります。

2025年度入試(2026年9月入学)のスケジュールは以下の通りです。

ラウンドオンライン出願期間面接(対象者のみ)合格発表日
First Round2026年1月8日 ~ 1月13日2月14日・15日3月3日
Second Round2026年1月14日 ~ 2月10日4月4日・5日4月10日
Third Round2026年4月28日 ~ 5月7日6月6日・7日6月12日

第3ラウンド実施の有無は、第2ラウンドの合格発表日(4月10日)に決定されます。

TAISI AO入試の出願要件と出願書類一覧

TAISI AO入試の出願要件と出願書類一覧

主な出願資格は以下の通りです。国籍や居住地による制限はありません。

  • 日本国外の教育制度において12年間の課程を修了した者(または修了見込みの者)。
  • 国際バカロレア(IBDP)、A-Level、Abiturなどの国際的な大学入学資格を持つ者。
  • 入学時点で18歳以上であること。
  • 日本の高校を卒業した学生も出願可能です(英語での学位取得を目指す意欲がある場合)。

GPAや標準テストの最低点(足切り点)は設定されていません。

そして、以下の出願書類が求められます。すべての書類は英語(または英語訳付き)で提出する必要があります。

書類詳細
志望理由書(Statement of Purpose)約1000語。取り組みたい社会課題と、TAISIで何を学びどう解決したいかを記述します。
成績証明書(Academic Transcript)高校(Grade 10以降)の全期間の成績。
大学入学資格試験・統一試験の結果
(Standardized Test Score)
SAT、ACT、IBDP、GCE A-levelなど。
※カナダの教育制度修了者については、2027年9月入学以降、SAT/ACTの提出が必須化されます。
英語外部検定試験スコア
(English Language Proficiency Test Score)
TOEFL iBT または IELTS Academicのスコア
SAT、ACT、IBDP(英語で受講)など、英語で行われる教育制度の統一試験結果を提出する場合、英語スコアの提出は免除されます。
活動実績の証明(Proof of Achievements)任意提出であるが、志望理由書で触れた課外活動などの証明資料を最大3点まで提出できる。

参照元:早稲田大学TAISI AO入試募集要項

TAISI AO入試の倍率について

近年の入試データは以下の通りです。

入試時期入試結果倍率
2024年度(2025年9月入学)志願者 431名 / 合格者 71名約6.1倍
2023年度(2024年9月入学)志願者 252名 / 合格者 64名約3.9倍
2022年度(2023年9月入学)志願者 162名 / 合格者 76名約2.1倍

このように、出願者の数も毎年増えており、倍率はかなり高く、極めて人気であることがわかります。

なお、「すべてのラウンドで平等に評価はされる」、と早稲田大学は公式に回答しているものの、同様に、定員が決まっている以上合格の枠が限られてくることにも、早稲田大学は言及しています。

そのため、特別な事情がない限り第1ラウンドで出願することが望ましいでしょう。

参照元:早稲田TAISI AO入試結果について

TAISI AO入試に合格するための対策方法について徹底解説

早稲田大学社会学部のTAISI AO入試は基本的には書類選考のみであり、提出されたスコアや書類の内容を総合的に判断して合否が決まります。

そのため、TAISI AOで合格するためのポイントは以下の3つです。

  1. 高い標準テスト(SAT/ACT/IB DP)のスコア
  2. 課外活動の実績
  3. 明確な志望動機

それぞれについて具体的な対策方法を解説します。

高い標準テスト(SAT/ACT/IB DP)のスコア

まず、標準テストの高いスコアは必須です。 なぜなら、筆記試験が行われない早稲田のTAISI AO入試において、学力を図る最重要項目だからです。

早稲田大学は、過去の合格者の平均スコア(2023〜2025年)を発表しており、以下の通りとなっています。

  • SAT:1,433点
  • ACT:33.3点
  • IBDP:36.7点

もちろん、これはあくまで合格者の平均点であるためこれより低い場合でも合格は可能ですし、高い場合でも不合格にはなりえます。

それでも、総合評価であるため標準テストのスコアが高い方が合格率が高くなることは間違いありませんので、必ず高得点を取得しましょう。

参照元:早稲田大学英語学位プログラム合格者のスコア平均

課外活動の実績

次に、課外活動の実績が求められます。なぜなら、出願書類において、「任意」提出書類として活動実績を提出できるからです。

これにより、他の受験生との差別化ができます。

この時望ましい課外活動とは、TAISIの目的とする「ソーシャル・イノベーター」の資質が伺える活動です。

社会科学部のTAISIプログラムでは、国境を越えた視点から地球規模の課題に取り組み、持続可能で公正な解決策を見出し、実行できる「チェンジメーカー」を育てることを目指しています。

つまり、社会にある「課題」に対して、「多様なバックグラウンドを持つ学生と共同・協働」しながら、「解決に向かって取り組んだ」経験が求められます。

明確な志望動機

最後に、明確な志望動機です。

TAISIは「社会イノベーター」の育成を掲げているため、社会問題への関心や解決への意欲が重視されます。

これまでの課外活動の実績や経験に基づく、「社会課題」に対して、

  • 「どのような解決策の仮説を持っているのか」
  • 「どのような学びが必要なのか」
  • 「なぜ早稲田大学が最適なのか」
  • 「なぜTAISIプログラムでなければならないのか」
  • 「卒業後はどのように学びを活かすのか」

という点を、論理的にまとめましょう。

国際教養学部(SILS)との違い

早稲田大学で英語学位を検討する際、最も比較されるのが国際教養学部(SILS)です。両者の違いを明確に理解することが、志望理由書の質を高める鍵となります。

TAISIとSILSは学ぶ内容が大きく異なります。

TAISI(社会科学部)では、「社会科学(Social Sciences)」による課題解決に特化しています。

一方で、SILS(国際教養学部)では、「リベラルアーツ(Liberal Arts)」教育を提供しています。文系・理系を問わず幅広い教養を身につけ、多角的な視点を養うことが主眼です。

また、留学についても異なります。 TAISIでは、留学は「任意(Optional)」です。

もちろん、交換留学やダブルディグリープログラムなど、豊富な留学機会が用意されており、多くの学生が留学を経験します。

しかし、日本国内でのフィールドワークやインターンシップに集中したい場合は、4年間日本で学ぶことも可能です。

SILSでは、日本語を母語とする学生(Study Plan 1)に対して、原則として「1年間の留学が義務」付けられています。

TAISIは「日本というフィールドを使って社会問題を調査する」ことも重視しているため、日本国内での実践的な学びの機会が充実している点が大きな特徴です。

なお、TAISI(社会科学部)の学生も、オープン科目としてSILS(国際教養学部)の英語科目の一部を履修することは可能です。

それぞれの違いを表でまとめます。

項目TAISI(社会科学部)SILS(国際教養学部)
学び方専門的リベラルアーツ
目的と学ぶ軸政治学、経済学、法学、商学、社会学などのアプローチを用いて、「どうすれば社会問題を解決できるか」という「社会イノベーション」文系・理系を問わず幅広い教養を身につけ、多角的な視点を養うことが主眼です。
留学任意必須
向いている人特定の社会課題に対して、専門的かつ実践的なスキルを身につけたい学生まだ専門分野を絞りたくない、あるいは人文科学から自然科学まで幅広く学びたい学生

よくある質問

TAISI AO入試と総合型選抜入試(全国自己推薦)は何が違うの?

この2つは「言語」「入学時期」「選考基準」が大きく異なります。

以下の表で違いをまとめます。

項目TAISI AO入試全国自己推薦入試(総合型選抜)
言語授業・入試ともに英語授業・入試ともに日本語
入学時期9月4月
選考英語力(TOEFL/IELTS)や基礎学力(SAT/IBDPなど)のスコア提出が必須。
筆記試験はなく、書類選考と面接(対象者のみ)で合否が決まる。
高校時代の活動実績(生徒会、部活、ボランティア、留学経験など)を重視した書類選考に加え、小論文試験と面接があります。
向いている人英語で専門分野を学びたい人、帰国生、インターナショナルスクール生、英語が得意な国内生。日本語で幅広く社会科学を学びたい人、高校時代の活動実績をアピールしたい人。

なお、早稲田大学社会科学部の全国自己推薦(総合型選抜)対策については、当塾の姉妹校であるホワイトアカデミー高等部が以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みくださいませ。

参考記事:早稲田大学社会科学部の全国自己推薦入試とは?

TAISI AOは国内生でも合格できるの?帰国生が有利?

早稲田のTAISI AOは国内生でも合格可能です。

確かに、日常的に英語に触れている帰国生の方が英語力や標準テスト(SAT/ACT/IB)対策等で有利にはなるかもしれません。

しかし、国内でも十分に対策できますので合格も可能です。

合格に必要な英語力は?

早稲田大学社会科学部のTAISI AO入試において、早稲田大学は足切り点(最低点)は設けていませんし、SATやACTのスコアを提出することで、英語スコアは免除されます。

そのため、合格のためには英語力(英語スコア)は低くても問題ないとは言えます。

しかし、英語で学位を取得するプログラムであるため、アカデミックな講義を理解できる程度の英語力は必須と言えるでしょう。

そのため、CEFR C1以上のスコアが望ましいです。つまり、TOEFL5.0点以上(旧式:90〜100点以上)、IELTS7.0点以上です。

まとめ:早稲田大学TAISIとは

早稲田大学社会科学部TAISIは、単に英語力を高めるだけの場所ではありません。

英語を「ツール」として使いこなし、異なる価値観を持つ学生たちと協働しながら、社会問題を解決するための実践的な知恵を学ぶ場です。

最後に、早稲田TAISI受験を検討する際に重要なポイントをまとめます。

  • 早稲田大学のTAISIのの目的は、「ソーシャル・イノベーター」の育成であり、社会にポジティブな変化をもたらしたいという「大志」を持つ学生を求めている
  • TAISIプログラムは英語で学位を取得するプログラムであり、社会科学の基礎を固めた上で、4つの専門領域から1つを深めて学ぶ
  • TAISI AO入試で合格するためには、TOEFL/IELTSやSAT/IBDPでのハイスコアが必須である
  • 志望理由書では、あなたの経験と将来のビジョンを、TAISIのカリキュラムと結びつけて熱く語る必要がある
  • TAISI AO入試において、課外活動は任意提出書類であるが、合格のためには必ず提出するべきである
  • 早稲田大学において、幅広い教養を学びたいならSILS(国際教養学部)、特定の社会課題(平和構築、都市開発など)へのアプローチを深めたいならTAISI(社会科学部)が適している

この記事を通して、早稲田大学社会科学部TAISIプログラムやTAISI AO入試について理解を深めていただけますと幸いです。

なお、U-LABOでは課外活動の実績作りやSAT対策、エッセイ添削などTAISI AO入試に必要なすべてのサポートを行なっています。

対策に少しでも不安のある方は、無料相談会にお越しくださいませ。
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記事監修…竹内 健登

U-LABO代表であり、内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者。自身の大学受験は東京大学工学部に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると10年以上。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

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