海外大学への進学を考えた時に、多くの人が頭を悩ませるのが費用の問題。特に英語圏の大学は、留学生に対して倍以上の授業料を設定している場合がほとんどです。

そのため、両親への負担を考えて留学を諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、奨学金を上手く利用することで、今しかないチャンスを掴むことができるかもしれません。今回は、海外大学への進学で使える奨学金機構をまとめました。これから留学する人の参考になれば幸いです。

どのくらい知ってる?海外大学進学の奨学金事情

海外大学進学で使える奨学金は、大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類があります。

このうち意外と知られていないのが「給付型」の奨学金で、返済不要のもの。
中には、授業料と生活費を全額支給してくれるものまであります。
一般的に、応募資格や書類審査は厳しいですが、獲得できれば大幅に留学費用を節約できます。

「貸与型」というのはその真逆で、返済義務があるもの。
通常の借金のように、返済額に利息(利率)をつけて返します。

一般的な借金の利息は10~20%ですが、
奨学金の利息は0.002~0.5%とかなり低く設定されています。

また、「貸与型」でも、無利息で借りられるものもありますよ。

留学をするのにかかる費用が問題で、留学に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。こちらの記事では最新版の奨学金制度について解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
関連記事>>>【2023最新】アメリカの奨学金制度について徹底解説!

大学留学で使える奨学金機構リスト

1.日本学生支援機構(JASSO)

文部科学省が所管している奨学金機構。
そのため、信頼性も高く国内の大学進学でもよく使われています。

海外留学に対しても、幅広い進路に利用できるため、編入学で学士号取得を目指している人にもおすすめ。

また、日本だけでなく外国政府が運営する奨学金についても情報提供をしているので、サイトは要チェックです。

■対象:4年制大学に1年次から進学…〇
コミュニティカレッジに進学…〇(貸与型のみ可)
編入制度を使って3年次に進学…〇(貸与型のみ可。ただし、編入学先の大学で別途手続きが必要)
■募集人数:45人(給付型)
上限なし ※審査はあり(貸与型)
■支給内容:給付型/貸与型奨学金
      (給付型)
      ~月118,000円+授業料…~年間2,500,000円
      (貸与型)
      ~月120,000円+入学時特別増額貸与奨学金…~500,000円
■募集期間:2021年9月6日~2021年10月7日(給付型)
       在学中もしくは卒業の高校へ要問合せ(貸与型)

>>>独立行政法人日本学生支援機構|JASSO

2.柳井正財団

ユニクロの第1号店をオープンした柳井正氏が設立した財団。
2015年に設立された比較的新しい奨学金プログラムですが、英米のトップ30に入る大学を対象としていて、知名度が高め。

そのため、競争率も高く、合格するまでのハードルは高いですが、合格者への金銭的フォローは手厚いですよ。

■対象:4年制大学に1年次から進学…〇(米国及び英国の概ねトップ30に入る大学が対象)
コミュニティカレッジに進学…×
編入制度を使って3年次から進学…×
■募集人数:40人程度(英米合わせて)
■支給内容:給付型のみ
奨学生1名に対して年間US$95,000が上限、内訳は大学から請求される授業料、寮費、保険料の合計が
年間US$80,000が上限、その他学習、研究、生活の合計が年間US$15,000が上限で、4年間支給
■募集期間:2021年12月20日~2022年2月14日 ※学校推薦の場合は2021年7月16日~8月15日

>>>柳井正財団|海外奨学金プログラム

3.グルー・バンクロフト基金

ジョゼフ・グルー元在日大使とエドガー・バンクロフト元在日大使の名前からつけられ、90年もの長い歴史がある基金。
昭和天皇やオバマ大統領からも称賛されたことがあり、日米間の人的交流の重要な役割を担っています。

米国の一流リベラルアーツ大学に進学する学生を支援している奨学金で、
200人以上の卒業生との交流が盛んに行われています。

■対象:4年制大学に1年次から進学…〇(米国のリベラルアーツ大学が対象)
    コミュニティカレッジに進学…×
    編入制度を使って3年次から進学…×
■募集人数:11人
■支給内容:給付型のみ
      年間US$50,000を4年間支給 
      ※ただし、留学先より授業料を全額免除される場合は異なる
■募集期間:2021年8月16日~2021年9月15日

>>>公益財団法人|グルー・バンクロフト基金

4.重田教育財団

重田康光によって設立され、成功したビジネスパーソンとして、大きな夢を持った若者を支援している財団。
2017年から始まった奨学金で、情報が少ないですが、年々志望者が増えてきているよう。

しかし、既に入学が決まっていることが条件なので、受験や渡航のタイミングと上手く合わせる必要があるかもしれませんね。

■対象:4年制大学に1年次から進学…〇(海外大学への入学が既に決定している人が対象)
    コミュニティカレッジに進学…×
    編入制度を使って3年次から進学…×
■募集人数:5人
■支給内容:給付型のみ
      月200,000円(年間2,400,000円)を2年間支給
■募集期間:2021年5月1日~2021年6月30日

>>>公益財団法人|重田教育財団

5.地方自治体奨学金

地方自治体の奨学金というものも存在しますが、知っていますか。
その自治体の居住者及びその家族が対象となりますが、自分の住んでいる街というのは意外と見落としがち。

JASSOのサイトで地方自治体奨学金のリストがあるので、一度確認をしてみてくださいね。基本的には給付型の奨学金となるので、返済義務はありません。

>>>大学・地方公共団体等が行う奨学金制度|JASSO

6.留学先の大学が募集している奨学金

留学先の国や大学によって、条件や金額は異なりますが、ほとんどが給付型の奨学金。
カリフォルニア大学(UC)のように、留学生や編入生も対象とはなりますが、優秀な成績や家庭の経済状況が審査されます。

募集枠も少ないものが多いので、十分な下調べと準備は必須。
また、米国では「Need-Blind Admission」という低所得家庭を優遇する制度があり、
例えばハーバード大学は年間所得がUS$65,000以下の家庭の場合、授業料が全額免除になります。

コミュニティカレッジに関しては、4年制大学に比べると学費が安いため、奨学金の数もやや少なめ。
しかし、留学生を対象に奨学金を給付している所もあります。

例えば、カリフォルニア州だとスカイラインカレッジやカニャダカレッジ、カレッジオブサンマテオが年に2回募集をしています。
授業料全額をもらえることはあまりないですが、留学費用を抑えられるありがたい制度ですね。

関連記事>>>カリフォルニア大学(UC)留学費用、どうやって捻出する?

まとめ

留学生がまず狙うべき奨学金は「給付型」で返済義務のないもの。
募集人数が少なく、狭き門かもしれませんが、何事も挑戦してみないとわかりませんよね。

今回紹介した奨学金情報を参考に、進学したい国と大学で利用できる奨学金をリサーチしてみてください。

きっと自分にピッタリの奨学金が見つかるはずですよ。

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