アメリカの4年制大学は通常、卒業に必要な単位数は120単位と定めている大学が多いですが、そのうち3分の1は、必ず一般教養を履修しなければなりません。
ただし、一般教養にあたる単位は、日本の大学で履修したものであっても成績がB以上あれば、単位を60単位まで移管できます。
そこで今回は、最も安く一般教養の単位を取りやすい大学として、放送大学をご紹介します。
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アメリカの大学卒業に必要な単位
アメリカの大学は、単位制です。〇年通ったから卒業ではなく、卒業のための条件(学位取得)を満たした時点で、卒業(学位取得)となります。
通常、4年制大学であれば、卒業に必要な単位数は120単位と定めている大学が多いです。こちらは、あくまで各大学が決定しますので、120単位より少なく設定されている大学もありますし、120単位よりも多く設定している大学もあります。
関連記事>>> 【飛び級】アメリカの4年制大学を3年間で卒業する方法
120単位の内訳とは
120単位の内訳は、一般教養として3分の1、メジャーMajor(専攻)として3分の1、好きな科目をなんでも取れるOpen Elective(自由選択)として3分の1という構成で成り立っています。
よくアメリカは、数学とアートを一緒に勉強できると言いますが、これは、Open Electiveという項目があるので、数学をMajorにして、Open Electiveの部分でアートをMinor(副専攻)にする事が可能です。
一般教養の履修は必須
アメリカ大学の単位の仕組で、知っておいた方がよい情報としては、どこの大学でも、必ず一般教養を履修しなければいけないという事です。
一般教養にあたる単位は、アメリカ以外の国で履修をしていても成績がB以上あれば、単位を最大60単位まで移管できます。
世界ランキングの上位校であっても、名の知られていない大学であっても、一般教養で履修しなければいけない科目および、グループの分け方は共通しています。
それであれば、わざわざ高い学費を支払って名門校に通い、一般教養単位を履修しなくても、その部分はなるべく安く、成績が取りやすい内容で履修した方が、考え方としては合理的です。
最も安く一般教養が履修できる放送大学
日本の中で一般教養が履修でき、一番安く成績が取りやすい大学は、ズバリ放送大学です。
そのため、費用面を重視する方は放送大学で一般教養で必須となっている科目を履修することをお薦めします。
一般教養で履修が必要な科目リスト
ここで詳しく、どのような科目を取るべきかを説明します。
科目のグループ分けとして、①Arts (A), ②Humanities/History (H), ③Natural Sciences (N), ④Social Sciences (S)があり、それぞれのグループに所属する科目リストがあります。この部分が一般教養で履修が必要な科目になります。これらを放送大学で履修すれば良いのです。
進学を考えている大学のホームページを確認し、一般教養にあたる科目のグループ分け及びそれらに所属する科目を確認してください。
また、放送大学側は、以下のリストを確認してください。
>>>放送大学の基礎科目
それぞれのグループ分けに所属している科目に似た科目を放送大学で履修し、成績を80点以上(B以上)取る事を目標にすると良いです。最大60単位まで認めてもらえるので、60を目安に放送大学で履修すれば、ムダなく安く一般教養の必須科目条件を満たせる事になります。
放送大学を利用する注意点
放送大学を利用するのはメリットしかないのか、と言われるとそうでもありません。
放送大学は日本の大学の単位となるため、アメリカの大学担当者からすると分かりづらい単位も多く、取得した全ての単位が移管できるかというとそうではないのです。
また、大学担当者への説明や交渉も必要になる可能性があります。後程説明しますが、カリフォルニア州のコミュニティーカレッジからカリフォルニア州の州立大学へ編入するルート以外の編入では全て同様のことが言えます。
ただし、アメリカの大学であれば一般教養の単位は多くの共通点があるため、事前に単位移管が可能かの判断(最終的には出願先の判断ではありますが)が比較的やりやすいです。
また、放送大学は日本語での授業のため、仮に放送大学での単位を使ってアメリカの大学の2年次や3年次に編入しようとしても、英語の実力が伴っていない可能性があります。英語の実力が伴っていないと、結局アメリカの大学を卒業するまでの時間がかかってしまい、ふたを開けてみたら普通に行くのと同じくらいの金額がかかっていた、なんてこともありえます。
放送大学を利用する場合は、ご自身でかなりの量の英語学習を行って頂くか、現地の語学学校に通ってから進学した方がよいでしょう。
関連記事>>>アメリカの大学へ留学するのに必要な英語力と基準となる5つの試験
放送大学以外の費用を抑える選択肢とは?
放送大学は圧倒的に安いことは事実ですが、上述した通りデメリットもあります。
放送大学以外の選択肢としておすすめなのが、以下の2つのルートです。
① コミュニティカレッジから編入を目指す
まずコミュニティカレッジから編入を目指すことについてですが、コミュニティカレッジと呼ばれるアメリカの短期大学であれば、入学条件が厳しくなく、授業料が格安に設定されています。
またコミュニティカレッジには、現地学生を含め編入を目指す学生が多く在籍しており、モチベーション維持にもつながります。コミュニティカレッジは多くの授業を開校しており、比較的小規模なクラスで教授との距離が近く、アメリカ初心者である日本人留学生には学習しやすい環境です。
もちろんアメリカの大学であるため、単位を取りながら英語学習やアメリカの大学で生き残っていくスキルが身につきます。放送大学よりはもちろんコストはかかってきますが、実力を上げるという意味では大変おすすめです。
さらに、カリフォルニア州のコミュニティーカレッジであれば、カリフォルニア州の州立大学であるカリフォルニア大学やカリフォルニア州立大学への合格優先権や合格保証が得られ、かつコミュニティーカレッジで取った単位は全て移管が可能です(※事前に分かっている移管可能な単位を履修する必要があります)。
カリフォルニア大学は全米でもトップの大学群ですし、取った単位も無駄にならないため名門大学を現実的に目指す方には、非常におすすめのルートです。
一方で、コミュニティーカレッジは2年制の大学であるため、編入を断念した場合には「準学士」という学歴になってしまう点は注意が必要です。
関連記事>>>アメリカのカリフォルニア大学への編入に向いているコミュニティカレッジTOP10
② 格安のアメリカ4年制大学から編入を目指す
次に格安のアメリカ4年制大学から編入を目指すことについてですが、アメリカには4000校を超える大学があり、中には日本の大学の授業料よりも安く授業料が設定されていて、かつ入学条件も厳しくない4年制大学があります。
そうした大学で一般教養を取り、3年次からよりレベルの高い大学を目指すという方法が考えられます。
このような大学は数が限られてはいますが、概ね郊外に位置しており生活コストも抑えられます。また、4年制大学であるため、そのまま卒業して学士を取り、大学院で名門大学を目指すといった戦略も可能になります。
カリフォルニア州のコミュニティーカレッジのような制度は利用できませんが、コミュニティーカレッジよりも費用が抑えられる可能性が高く、こちらもお勧めのルートです。
まとめ
いかがでしょうか。
放送大学を利用することは価格面で非常にメリットがありますが、同時にデメリットもある点をお伝えしました。一生の経験である留学。そのため、価格だけで決めず、総合的に判断するのがおすすめです。
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