「住む家とお米があればどこでも生きていけます」そう語る安達沙来さんは、異国の地で大学生活を送り、現在は英語圏の大学院進学を目指しています。国際バカロレア(IB)プログラムを修了し、アメリカ留学を経て、コロナ禍の中でチェコの大学に進学しました。多様な文化や言語の壁を乗り越えた経験は、これから留学を目指す人の参考になると思います。

今回は、安達さんが留学を通じて得たものや、次なる挑戦への想いについて伺いました。ぜひ最後までお読みください。

簡単な自己紹介

私はチェコの大学で人文学を専攻し、2024年に卒業しました。現在は英語圏の大学院進学を目指して準備を進めています。これまで、アメリカとチェコに留学し、それぞれの国で得られる異なる経験や知識を通じて多くを学びました。

留学の背景

母が私をインターナショナルスクールやIBコースに入れると、私を産む前から決めていたんです。だから幼い頃から英語に触れる環境で育ち、英語への抵抗もありませんでした。それに、日本の学校のシステマチックな学習環境よりも、自分で学ぶことを選択できるインターナショナルスクールの環境が合っていると感じました。

中学2年生の時に国際バカロレア(IB)プログラムを提供する立命館宇治中学校・高等学校を選び、編入しました。私が高校生になるとき、日本でIBコースを提供している学校はまだ数校しかありませんでした。その中の1つが立命館宇治だったんです。

高校時代、IBプログラムの2年間を修了し、アメリカの大学へ進学しました。しかし、コロナがあったので帰国し、1年半で退学しました。高額な学費を払いながらオンライン授業を受けるのは勿体ないと感じたのです。

その後、次の進路を模索しました。母親に「ヨーロッパは学費が安いから見てみたら?」と提案されて、いくつか受験したんです。その中で一番学費が安かったのがチェコでした。学費の安さが決め手となり、チェコでの大学生活が始まりました。

チェコでの大学生活と挑戦

チェコの大学には2020年10月に入学しましたが、最初の1年間はコロナの影響で日本からオンライン授業を受けました。時差のため夜中に授業があったり、日本での生活リズムを維持するのが大変だったと記憶しています。それでも、授業を受ける中で徐々にチェコの大学のカリキュラムに慣れていきました。

コロナの規制も緩和され、自身のビザの申請が下りた2022年2月にプラハへ移り、対面で授業を受け始めました。英語圏ではない生活環境に最初は戸惑いましたが、授業内容自体は充実していて、新しい学びの多い日々でした。チェコの大学は3年制ですが、私は1年多くかけて4年間で卒業しました。自分のペースで学びながら、達成感を持って卒業することができたのは、大きな自信につながりました。

この期間は、学業だけでなく、新しい環境に適応し、自分を成長させる機会でもありました。学びの中で、歴史や文化に触れる機会も多く、探究心が強まるきっかけとなったと思います。

チェコでの生活の様子

チェコでの生活は、日本とは全く違う環境でのスタートでした。町中の看板や案内はほとんどがチェコ語で、何が書かれているのか全くわからず、最初は戸惑いの連続でした。スーパーでの買い物では、野菜や果物を自分で測り、シールを貼る仕組みがありましたが、それを知らず困ることもありました。YouTubeで調べてようやくやり方を覚え、少しずつ慣れていきました。

交通機関を利用する際も、切符を買った後に自分で刻印する必要があり、初めての仕組みに戸惑いました。ルールを知らずに刻印を忘れると罰金を取られることもあると聞き、最初は緊張しながら乗っていました。それでも日々の経験を通じて使い方に慣れ、今ではその便利さを実感しています。

一方で、チェコにはヨーロッパならではの魅力も多くありました。美しい街並みや歴史ある建物が広がり、街を歩くだけで新しい発見がありました。特に、共産主義時代の名残を感じさせる団地のような建物が並ぶエリアを見ると、この国が持つ歴史の重みを感じずにはいられませんでした。

言語の壁や慣れない環境での生活は確かに大変でしたが、その分、自分の適応力や問題解決能力が磨かれました。今ではチェコでの生活に愛着を持ち、この経験が自分を大きく成長させてくれたと感じています。

アメリカ留学とチェコ留学の違い

アメリカとチェコでの留学経験は、それぞれ全く異なるものでした。アメリカでは多様性が際立っていました。大学の教授陣も白人だけでなく、アジア系や黒人などさまざまなバックグラウンドを持つ人が多く、学ぶ内容も幅広かったです。特に、社会学の授業では文化、人種、宗教、性別など、多角的な視点で物事を考える機会が豊富にありました。

一方、チェコの大学では、学ぶ内容があらかじめ決まっている印象を受けました。教授陣の多くがチェコ人で、アメリカのように多様性を重視した教育スタイルではなく、どちらかというと型にはまった内容が中心でした。それでも、ヨーロッパならではの歴史や文化に触れる授業は新鮮で、アメリカとは違った視点で学ぶ楽しさがありました。

生活面でも違いを強く感じました。アメリカでは英語が通じるのが当たり前でしたが、チェコでは英語が通じない場所が多く、郵便局や小さな商店ではチェコ語が必要でした。生活の中で言語の壁を感じることが多く、そのたびに調べたり工夫しながら対応していました。一方で、チェコの方が街の治安が良く、夜でも安心して過ごせる環境があり、そこはアメリカとは大きく異なります。

また、学費や生活費の面でも違いは明確でした。アメリカの学費や生活費は非常に高く、奨学金を受けていても負担が大きかったのに対し、チェコは学費が安く、生活費も日本より抑えられるため、経済的な負担が少なく感じました。

どちらの国での留学も、それぞれにメリットとデメリットがありますが、この2つの異なる環境での経験は、教育スタイルや文化の違いを深く理解する機会となり、自分自身の成長につながったと感じています。

将来への展望と課題

チェコの大学を卒業した後、最初は現地での就職を目指して活動していました。でも、外国人として就職するのは思った以上に難しかったです。特に私は人文学部出身なので、ITなどの分野に比べて求人が少なく、現地語が求められることも多いんです。さらに、就労ビザの取得には企業側のスポンサーが必要で、同じスキルを持つEU圏内の人がいれば、優先的に採用されるのが現実でした。

こうした就職活動を通じて、自分にはまだ働けるだけのスキルや知識が足りないと感じました。そこで、もう一度勉強し直すことを決意し、英語圏の大学院を目指すことにしました。次はビジネス分野を学ぶ予定です。チェコでの就職活動を通じて、ビジネススキルやプログラムの知識が求められていると気づいたからです。

現在、イギリスやアイルランドの大学院を検討しています。その理由は、やはり英語圏であることです。チェコでは街に出ると現地語が飛び交っていて、すべてを理解するのは難しいですが、英語圏ならすぐに馴染めると感じています。学費は高いですが、奨学金付きの大学を探してなんとか賄おうと計画中です。

私は学ぶことが好きで、今は自分に必要な知識を得ることが第一だと思っています。計画的に物事を進めるというより、その時の状況に応じて即決する性格なので、今もゆっくり準備しながら次のステップを目指しているところです。海外で学んだ経験から、「何とかなる」という精神が身につきました。もし大学院に進学できなくても、帰国して新たな道を探すこともできるので、焦らず進もうと思っています。

留学生へのアドバイス

海外留学を目指す人にとって、最も大切なのは「こだわりを捨てること」だと思います。以前、チェコに留学してきた日本人の女の子と話す機会がありました。彼女は高校を卒業してすぐチェコに来たのですが、1か月ほどで帰国を決めてしまったんです。理由を聞くと、食事や生活への理想が強すぎて、現実とのギャップに耐えられなかったそうです。

海外に来ると、自分の思い通りにならないことがたくさんあります。現地の文化や習慣、環境を受け入れられないと、ストレスがどんどん溜まってしまいます。だからこそ、「これが普通なんだ」とありのままを受け入れる姿勢が大事なんです。

語学についても、完璧を求めなくていいと思います。現地の言葉がわからなくても、今はGoogle翻訳があるので、なんとかやっていけます。実際に私は、郵便局で英語が通じないときにGoogle翻訳を使って対処していました。もちろん、現地語を少しずつ覚えていく努力も必要ですが、初めから完璧を目指す必要はないと思います。

日本で準備することとしては、留学先や学校についてYouTubeやホームページで調べるのがおすすめです。特に、実際にその学校に通っている留学生の動画を見ると、具体的なイメージが湧きやすいです。自分が理想としている生活と現地の現実とのギャップを少しでも埋めておくことが、スムーズなスタートにつながります。

また、留学先を選ぶ際には、学費やカリキュラムだけでなく、留学生の数もチェックするといいと思います。留学生が多い学校は、受け入れ態勢が整っていることが多いからです。ヨーロッパの場合、現地語が英語ではない国が多いので、それを気にしない心構えも必要です。

留学は、自分のタイムラインが大きくずれる可能性があります。日本のように高校卒業後すぐに大学へ行き、卒業後すぐ就職するという流れが必ずしも当てはまらなくなるかもしれません。それを不安に思う人には、留学は向いていないかもしれません。ただ、それを受け入れて挑戦できるなら、留学は自分を成長させてくれる素晴らしい経験になります。

ぜひこだわりを捨てて、海外留学にチャレンジしてみてください。

記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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