カリフォルニア州には、「カリフォルニア大学」と「カリフォルニア州立大学」の公立4年制大学が2つあります。同じ州内の大学群であるため混同されがちです。

そこで今回は、カリフォルニアへの留学を検討している方向けに、「カリフォルニア大学」と「カリフォルニア州立大学」の違いとそれぞれの特徴について解説していきます。

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混同されやすい「カリフォルニア大学」と「カリフォルニア州立大学」

広大な土地を持つカリフォルニア州は人口が多く、大学への進学を希望する学生も多いので、州の財政援助を受けながら大学システムが構築されています。

先述したように、カリフォルニアには「カリフォルニア州立大学」「カリフォルニア大学」と、2つの4年制大学があります。

大学群略称呼称
カリフォルニア大学University of CaliforniaUCUC 〇〇校 など
カリフォルニア州立大学California State UniversityCSU, Cal StateCSU 〇〇校 など

カリフォルニア大学は ”University of California” を略してUCと呼ばれており、カリフォルニア州立大学は ”California State University” 略してCSUと呼ばれています。

CSU群は23校、UC群は9校(※大学院のみのサンフランシスコ校を入れると10校)あり、ここに2年制のコミュニティカレッジを加えると、州内には大きく分けて3つの公立大学システムで成り立っています。

UCとCSUの特徴

カリフォルニア州内からは、高校卒業後に成績が上位である生徒の約3割が、UCかCSUへ進学していますが、同じ州内の大学でもUCとCSUには役割による違いがあります。

それぞれの特徴をはじめ、合格率や費用面なども含めて解説していきましょう。

カリフォルニア・マスタープランによる役割分担

UCとCSUの大学システムは、1960年に州議会によって定められた「カリフォルニア・マスタープラン」に基づきます。UCでは研究や大学院に強みを持つ高度な教育を目指し、CSUでは4年間の実務教育に重きを置く、というプランです。この大学システムは、大学教育や改革の世界的なモデルとされています。

研究・大学院教育に強いUC

【カリフォルニア大学(UC)10校一覧】

1カリフォルニア大学バークレー校
2カリフォルニア大学ロサンゼルス校
3カリフォルニア大学サンディエゴ校
4カリフォルニア大学デイビス校
5カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校
6カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校
7カリフォルニア大学アーバイン校
8カリフォルニア大学リバーサイド校
9カリフォルニア大学マーセド校
10カリフォルニア大学サンフランシスコ校(※大学院のみの開校)

公立大学でありながらも高い教育水準でエリート教育を行うUC群からは、数々の著名人が輩出されています。より高度な教育や研究を学びたい方は、世界トップランク校が多数あるUC群を目指す傾向が高いです。

CSUと比較すると、生徒の自発的な学習を目指しており、取得できる学位は、CSUと同じく学士号と修士号ですが、UCには博士(Doctor)課程が加わっています。

関連記事>>>カリフォルニア大学(UC)の10あるキャンパスを徹底解説!

学部・実務に強いCSU

【カリフォルニア州立大学(CSU)23校一覧】

1カリフォルニア州立大学ベーカーズフィールド校
2カリフォルニア州立大学チャンネルアイランズ校
3カリフォルニア州立大学チコ校
4カリフォルニア州立大学ドミンゲスヒルズ校
5カリフォルニア州立大学イーストベイ校
6カリフォルニア州立大学フレズノ校
7カリフォルニア州立大学フラトン校
8カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
9カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校
10カリフォルニア州立大学モントレーベイ校
11カリフォルニア州立大学ノースリッジ校
12カリフォルニア州立大学サクラメント校
13カリフォルニア州立大学サンバナディーノ校
14カリフォルニア州立大学サンマルコス校
15カリフォルニア州立大学スタニスラウス校
16カリフォルニア海事大学
17カリフォルニア・ポリテクニック州立大学
18カリフォルニア州立工科大学ポモナ校
19ハンボルト州立大学
20サンディエゴ州立大学
21サンフランシスコ州立大学
22サンノゼ州立大学
23ソノマ州立大学

CSU群では、学部や実務の教育に注力しています。CSUは、各校にそれぞれ豊かな個性を持ち、難易度が平均的であるのが特徴です。古くから日本人留学生を多く受け入れており、サポートも万全です。学歴や大学ランキングにこだわらず、視野を広げて学んでいきたい方は、CSUがおすすめです。CSUでは、学士号(Bachelor)と修士号(Master)の学位を取得できます

関連記事>>>カリフォルニア州立大学とは?人気校や学部は?

合格率の違い

入学条件はUCのほうが厳しく、難易度は上がります。UC群の中でも、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles)とカリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)は、特に人気の高い名門校です。

2022年の世界大学ランキング(The Times Higher Education World University Ranking)では、バークレー校が世界8位、ロサンゼルス校が世界20位に入っています。世界的名門校を目指す優秀な生徒は多く、2020年度のバークレー校の合格率は17.5%、ロサンゼルス校は14.3%と、競争率も高くなっています。

関連記事>>>【偏差値は?】カリフォルニア大学に留学するために必要な学力は?

競争率の高いUCと比べると、CSU群では必要なGPAが低めに設定され、UC群ほどの競争率ではありません。また、CSU群は州内に23校もあるので、自分の個性や学びたい事柄に合った大学を選ぶことができます。

関連記事>>>アメリカ留学に必要なGPAって何?日本の成績との違いは?

学費面の違い

留学を目指すうえでネックになるのが費用面です。州内の学生と比べると、やはり留学生の学費は割高になってしまいます。

留学費用を抑えることを優先したい方には、CSU群がおすすめです。CSUは、UCと比較して日本円にして年間で100万円ほど学費が安くなっています。 

関連記事>>>カリフォルニア大学(UC)留学費用、どうやって捻出する?

また、2年制大学のコミュニティカレッジに通ってから、3年次で4年制大学へ編入するルートを選択することで、さらに留学費用を抑えることが可能です。これについては下記で詳しくご説明していきます。

もう1つの大学群:コミュニティカレッジ

カリフォルニア大学システムにおける4年制大学は「UC」と「CSU」で成り立っているとご説明してきましたが、もう1つの大学群がコミュニティカレッジ(California Community Colleges、略称CCC)です。

コミュニティカレッジは、「Open Admission(教育の機会均等)」の理念に基づき、高校卒業生だけではなく地域の成人にも幅広い教育を提供している2年制大学です。UC・CSUと編入協定を結んでおり、在学中の単位の取り方によっては、一部のトップ校を除き、UCやCSUへの確実な編入が可能になります。

コミュニティカレッジから4年制へ編入するメリットとしては、アカデミックな英語力を高められるので、編入後の授業が楽になるという点です。コミュニティカレッジでは入学時の英語力が低めに設定されていますから、日本での高校英語授業だけで英語力に不安がある方でも、徐々にアカデミックな英語に慣れていくことができます。

もうひとつのメリットとして留学費用をかなり安く抑えられる点が挙げられます。コミュニティカレッジの学費は4年制と比べて安いため、最初の2年間をコミュニティカレッジで学ぶことにより、トータルでの留学費用を抑えることができるのです。費用面がネックで留学に踏み切れない方は、ぜひコミュニティカレッジを経由した編入ルートをおすすめします。

コミュニティカレッジからの編入方法やメリットについては、「UC編入制度」ページでも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

関連記事>>>アメリカのカリフォルニア大学への編入に向いているコミュニティカレッジTOP10

関連記事>>>コミュニティカレッジから大学へ編入することのメリット・デメリット

将来の夢に合わせた大学選びをしよう

大学選びでは、「入学してから何を学んで、将来的にどう活かしたいか」が重要です。

例えばUCでは研究に強く高学歴を得られること、CSUは実務や学部教育に強いので、実務的な即効性があること、という特徴があります。また、大学院に行きたい方は、最終学歴は大学院となるため、大学課程は学費の高いUC群ではなくCSU群に行くのがおススメです。

将来の選択肢が広がる大学選びは、大学へ入学することをゴールにするのではなく、自分が将来やりたいことや目指す職業を目標にして選びましょう。

関連記事>>>日本ではなくアメリカの大学へ進学することのメリットとは

まとめ

「カリフォルニア大学」と「カリフォルニア州立大学」それぞれの違い、特徴やメリットについて、理解できましたでしょうか?

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記事監修・・・小泉 涼輔
記事監修・・・小泉 涼輔

U-LABO代表。高校の時の偏差値28から、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を飛び級で卒業。日本で最もアメリカ名門大学への編入に精通した専門家の1人として、これまでに多くの学生を合格に導いている。2022年にはUCLAが選ぶグローバルに影響を与える企業・起業家100(「UCLA Bruin Business 100」)に選出された。著書「UCLAに留学したいと思ったら読む本
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